2013年4月20日土曜日

ZONE Ⅵ 引伸機(その5)




 前にも書いたが、僕の手に入れたZONE Ⅵ 引伸機は 最初から壊れていた…。







これがZONE Ⅵ 引伸機で焼いた最初のプリント…。



 もう2ヶ月位経って プリントしたばかりの頃より だいぶ濃くなったので、何とか見られるレベルになった。

 ZONE Ⅵ 引伸機の何処が壊れているかというと、冷陰極管のグリーンとブルーの内 のハード部分を担っている ブルーの陰極管が 点灯せず 実質ソフトを担うグリーンの光でしか露光出来ず、出来上がったプリントは 黒が締まらず 総て軟調になってしまうのだ。









 このBlogの写真を御覧になっておられる方の中には、そうでもないと思うかも知れないが(実物より濃く写っているので…)左上の方のベタ焼きと比べてみると差は歴然 かなり軟調なのだ。



 ついでに、タイトルのZONE Ⅵ 引伸機とは何の関係も無く… 話は横道にそれるが、この写真の建物は 室生寺 灌頂堂(本堂)。非常に好きな建物の一つだ。

 この建物を見ると もちろん素晴らしいのだが、それと共に作った工匠の気概を感じる。

 この隅木の先端の軒先の鋭さはどうだろう?ぼくは数々の日本建築を見てきたが、もちろん禅宗様の建物でこれよりも軽やかというか軽快で 線の細い鋭さを持った建物は有るが、或る意味 この建物の軒反りが一番鋭く感じる。

 そして 入母屋の虹梁大瓶束… 軒先の鋭さもそうだが、この時代 このお寺さんで 敢えて豕叉首ではなく 虹梁大瓶束で 形良くまとめている点に この工匠の凄さというか気概を感じるのだ…

 この写真では、建具のプロポーションなどから見ても 若干 建ちが高く見えると思うが、(長弓寺 本堂のプロポーションなどと比べれば 実際 少し建ちが高く 水平感=おおらかさ の様なものは感じないが…) 別にだからといって それが この建物の価値を減ずると思って 僕は書き記すのでは無い。この建物には 既成の価値観を超えた 新しさを目指そうとする 強い意志を感ずるのだ。








 僕は、五重塔や金堂も 非常に特徴があって優れていると思うが、もっと、せめてそれらと同じ位に この灌頂堂は語られ 評価され 観光に来た人々にも顧みられてよいと思う。










 これも 前にも話したかも知れないが、ZONE Ⅵ 引伸機の4×5のネガキャリアは巨大な物で そのまま5×7サイズのネガをセットするようになっているネガステージの上に置くと 完全にはみ出してしまって、さらに其の上に 冷光源ユニットを搭載しても そのはみ出たネガキャリヤの厚み分浮いてしまい、激しい光線漏れをおこしてしまうのだ。







 上の写真、シルクハットのつばの様に ネガキャリア(黒色塗装してある板)が横に飛び出しているのが判るでしょうか?




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