2025年7月15日火曜日

2025.04.15. つれづれ

  2025.04.15. つれづれ

 チョッと 話は春頃に戻ってしまうのだが…

























 今から遡る事12、3年前、2つ目の自作のLED散光源を ベセラーに合わせて 一つ目のモノよりもコンパクトに作ったのだが、それが収まる筐体を キッチリ作らずに いい加減なシロモノで取り繕っていたのだが、いささか扱い辛いので、取敢えず コンパネで簡易な筐体を作ることにした。(まぁ、これですらいい加減なシロモノなのだが…)




























 元々有った ZONE Ⅵに合わせて作った 黒いアクリル板製の筐体を ネガステージとコンデンサーレンズの間合い調整の為の蛇腹部分の上枠の背部のバックガードの様な立ち上がりとの干渉を避ける為 150Φの塩ビ管の継ぎ手部品をギリギリの高さにカットして嵩上げしていたのだが、結局それは散光源とネガステージの距離を離す事になっていた。

 そのせいで 4×5のイメージを焼こうにも 四隅がケラレる状態だったのだが、6×6や6×7では 中心部分しか使わないので、何の問題も無く使えているのだった。






チョッと重くなってしまいますが、コストパフォーマンスといい 工作のし易さといい 今はコレ一択です。正直 5.5のシナベニヤでも十分ですが、流石に箱組みしようとすると、1番ビットで締める様な細いビスで神経を擦り減らしながら作業するか釘留めになってしまいます。
上蓋は 横から観ると凸型になる様に 四周にチリを付けて 落とし込んでいます。
















 そして、150Φというサイズは focomatⅡcにも相性がいい事が分かり、いずれはⅡcのランプハウス部分を外して こちらも散光式に換えて使ってみたいなぁ…と漠然と考えていた。

 だから勿論、元々150Φの塩ビ管の継ぎ手部品をカットした時から その構想は 頭の片隅に有ったのだが、生来の面倒臭がりな性分から 今まで後回しにしていた。

 ただ、先日 記事にしたが、今回 近紫外線域のLEDのみで焼いてみても ネガに依っては 散光源では 期待したほどの調子が得られなかった事も有り、それじゃあ、Ⅱcのコンデンサーレンズはそのままに 白熱電球の代わりに 近紫外線域のLEDのみで焼いてみたらどうなのだろう…? 純粋な散光式と比べれば メリハリが付くのでは…と 急に思い立ちスグに試してみたくなったのだった。






↑ 上の写真では判りにくかったかもしれないが、上屋(コンデンサーレンズとランプハウス)を載せる部分は 流石にしっかりしていて 背後がバックガードの様に立ち上がっている。これに合わせる様に 塩ビ管を切り詰めたのだが、この僅か 5~6cmであっても このトンネルを潜り抜けた光は 4×5はカバー出来ず 四隅がケラれてしまいます。

























 


 ここからは、focomatⅡc…

 先ずは オパール電球のついた 上蓋を外し コンデンサーレンズを傷めない様に気を付けて150Φの塩ビ管の継ぎ手部品をカットしたモノを落とし込みます。

 150Φの塩ビ管の継ぎ手部品位 径が有れば コンデンサーレンズの収まった枠の上で止まる様です。





自分のfocomatⅡcはフィルタードロワーが付いていませんでした。
最初から ちゃんとドロワーが付いていれば今頃は ここに多階調フィルターをセットして
普通に焼いていたのかも知れませんが…
 コンデンサーレンズが判りやすい様に 乳白のアクリル板を取り去って写真を撮っていますが、実際は塩ビ管の下のチリを利用して 丸くカットした散光板を嵌めて使用します。 































 この記事の上の方で触れましたが、 ベセラーに上屋を積み上げていくには丁度良いと思って切り詰めたその塩ビ管の継ぎ手も、focomatⅡcのコンデンサーレンズの上に直接落とし込んで使用するには 少しばかり高さが足りなかった様だ…。




右下の方に有るのはもう2、3年前に外されて そのまま放置されている
ベセラーの ランプハウスとコンデンサーレンズです。
ベースボードが無駄にデカいので 支柱より奥の方は 物置き場になっています。
(まぁ、こうやって支柱が下に行く程 レンズよりも後退しているから 邪魔にならずに大伸ばし出来るんですが…
全紙より更に上のサイズのモノを焼いた事が無いので判りませんが、隣の ZONE Ⅵの台版もさらに輪を掛けて
無駄にデカいです。































 でも、その差は僅かなモノであったし、結局は下方向に光が漏れていなければ 何の問題も無いので 早速試してみる事にした。

 引伸しレンズの f値をf11のまま点灯してみたが、暗すぎて何も判らない。当初 接触不良か何かで点灯していないのではないかと錯覚する程だった。

 仕方が無いので 暗室のセーフライトを消してみたが、それでも30秒程して目が慣れて来ると辛うじてネガの周囲の素抜け部分から イメージサイズが判別出来る程だった。



























 10日以上前に用意した現像液を 使い廻しているので、新鮮なモノであれば もう少しコントラストが付くと思います。



























 ベタも痛い程 パキパキのコントラストにはなっていませんね…。





2025年7月10日木曜日

2025.05.12. つれづれ

 2025.05.12. つれづれ

 ライカこそ散光源で引伸ばさねばならぬ。⑥

― GREENのLEDのみで製作した散光源ユニットで 引伸してみる。― 


 GWというのは 陽気も良くなって来て、自分の様な お金もなく家でコソコソ内職ばかりしている人間も開放的な気分にさせるのでしょうか…。





今年は もうスイレンの花が咲き始めました。



























 GW後半の休みが終わっても また何日か働けば もう週末…。そんな 連休気分が抜け切れていない自分は 思い切って この週末を利用して LED散光源ユニットを また一つ拵えてみる事にしたのでした。

 前回、白色LEDでは かなり硬調でしたので、今度は 思い切って緑色のLEDのみで散光源ユニットを 拵えてみました。






勢いで一気に作り上げたのですが、試験点灯してみたら このザマ…
径の大きさも間違えたので、チョッと小ぶりになってしまいました。






 なんで小ぶりになってしまったかというと…





































今回はドリルで円形にくり抜いてカットしたのですが、刃の厚みの分間違えていて その分小さくなってしまいました。


































 今回はスルーホールの両面にハンダ付け出来るタイプの基盤にしました。前回 LEDや制限抵抗とは逆側に細かい部品の固定やら配線のバイパスを施術した際に その依り代となるものが無いので 結構苦労しました。もう十数年も電子工作から遠ざかっていたので 以前はずっと そちらのタイプを使っていた事を忘れていました。


 早速 拵えてみた。




























 まぁ、やっていて途中で気が付いたんですが、前回とレイアウト(センター位置決め)も違っていました。もう基板を円形にカットするのに ドリルで穴を空けた時に既に間違っていたのです。取敢えず このまま工作を進め 連休明けにLEDを買い足して 追加でバランス良く配置する事にしました。




今回 Arduino UNO R3は開発用で 完成したモノの運用に…と思って Nano everyを用意していたのですが、結局 見送りに…


























 まぁ、取り敢えず完成したので 早速 テストプリントしてみる事に…。









このネガは フィルムの自家現像をはじめた頃のものという事もあって、ネガの濃度が濃い(コントラストも高い)です。誰かに手解きを受けた訳でも無く いい加減でしたので 攪拌は勢いよくシャコシャコ何度も繰り返すし 像が出ていないと困る…と不安に駆られて とにかく常に押し気味に現像していました。
 下のベタを見ていただければわかりますが、ネガが濃いので フイルムの素抜け部分が黒くつぶれてパーフォレーションが判別出来ません。辛うじてフイルムの銘柄が判ると思いますが、文字が不明瞭です。フィルムをステンレスリールにピッチリ巻きすぎて 接触しているところが上手く現像出来ていないのです。





























 


 今回は比較のために 前回までとは また違うコマになってしまうのですが、まずは先に作った白色LEDの方で焼いてみました。やはり かなり硬調でした。今回のコマはTMAX400ですので 前回のTMAX100に比べて粒子が結構出ています。下の方の 白い上着の諧調は殆ど出ていません。それ以外の部分は 硬調ですが 比較的見られる写真だと思うのですが…。


 続いて、緑のLED



























 まぁ、自分の場合 結局 多分しばらくはこんな状態で使っていくんです…
 



























 やはり、うって変わって かなり軟調です。

 一つ 驚いているのは あまり粒状感が無い事。まだ このネガしか焼いていないので 一概に判断できませんが、非常になめらかです。ただ、黒の締まりは明らかに足りません。流石に これでは軟調すぎます。でも、白い上着とその下のシャツも 描きわけているし、逆に ディティールに関しては こちらの方が精細で よく出ている感じなのです。

 現代のスマートフォンのHDR写真などに慣れてしまった方々に どう伝えたらいいか分からないのですが、画が眠いのに妙に解像感が有るのです。全くシャープでは無いのに 逆に明確な境界が無い為 仔細に見るほどにディティールを感じるのです。



























 上の写真が あまりに濃度が浅いので もう一枚 同じプリントの別な写真を載せてみたのですが、Blogに画像を投稿しているiPhone上で見る限りはもうちょっとコントラストがあって濃度のあるプリントに写っているのですが、BlogにアップしてWindows環境で見ると若干 濃度が落ちてしまいます。こちらの方が より実際のプリントに近いです。

 自分の使っているPCの液晶モニタが古いので、見た目のコントラスト不足は それも影響しているかも知れませんが…。

 それにしても 緑だけでは いかんせん軟調過ぎるようです。


 正直言って 結果は見えているのですが、次は青のLEDだけで作ったもので 比較してみましょうか…。





2025年7月7日月曜日

2025.05.07. つれづれ

 2025.05.07. つれづれ

 ライカこそ散光源で引伸ばさねばならぬ。⑤


 GW連休 最後の日の朝


 前日にADOX CMS20ⅡPROで写したネガを伸ばしたけれど コントラストは兎も角として 解像度的には 8×10では 全く限界が見えなかったので、次は AGFA COPEX RAPIDで撮影したネガを伸ばしてみました。

 最近は120ばかり伸ばしていたので、1年程前に撮影して現像したきりになっていたネガ。
135って36コマも出来てしまうので なかなか総てのコマを引き伸ばす事も無いし、120と並行してやっていると そのコマ数の多さに ネガをみた瞬間 正直うんざりしてしまうんですよねぇ…





いつも 8×10のRC紙はサテン(微粒面)を使っております。
この写真は まだ濡れた状態ですが、その独特の光沢感が出ております。
今回のお題目や写真の内容とは何も関係ありませんが、黒縁がいい感じに出ていますネェ…
35mm f2.8のズマロンで撮影しています。50mmや90mmのズミクロンで撮ると
フィルム上で得られるアパチャーサイズが変わっていくのか 黒縁も太くなっていきます。



























 
 こちらは ADOX CMS20ⅡPROと違って 限界は感じますが、それでも かなりの解像感です。

 ただ、今まで通常の白熱電球で伸ばした事の無いネガですので、ただ単にファーストインプレッションを述べているに過ぎず 本来の目的の意味での比較は出来ていないんですが…

 それでも 上の写真を 改めて見ていただくと判ると思いますが、ネガ上の埃や ネガ現像後 最後にスポンジで拭った後のAgガードの拭き残しが析出した物は いつもより結構ハッキリ出てしまう感じです。 (判り易いのは 写真右の車の助手席の扉)

  ここまで読んでいただいて申し訳無いのですが、この日は 朝 起床するのが遅くなってしまって この1コマをプリントしただけで朝を迎えてしまいました。





















2025年7月1日火曜日

2025.05.05. つれづれ

2025.05.05. つれづれ



 ライカこそ散光源で引伸ばさねばならぬ。④

― コンデンサーレンズを経由せずに直接焼いてみる。― 


























 GW後半の休みも3日目の早朝。早速 前日の作業の続きをしてみました。

 今回 自作した散光源ユニットは 本来 ネガの上部に 直に据えて 散光源式として使用するために制作したものなので、 今朝はコンデンサーレンズを介さずに 焼付け作業を行います。



























  ヘッド下部の御釜部分に収められているコンデンサーレンズを取り外します。

 
 まずは、コンデンサーレンズを押さえつけているスプリングの留め枠を外します。





























 
外したコンデンサーレンズは 手に取ってみると この位のサイズ感です。可愛らしい大きさです。
 focomat ⅡcやDURST L1200の時とはエラい違いです。アチラは腫れ物に触るような感じで チョッと緊張します。





























 Nマークは何の為の指標(?)でしょうか?。ただ、下にピンの様な突起が有るのが判ると思いますが、元に収める際に 落とし込む位置(角度)が 予め決まっているのです。


























 上の写真は スプリングを取り去り コンデンサーレンズを引き抜いた時の様子。

 井戸は結構深いです。






中央附近に見えているのが 自動焦点の位置決めのストッパー(位置検出)部品。錆び錆びです。
レンズを内包している シルバーのヘリコイド部品に 受けの金物が取り付いているのですが、こちらも錆び錆びです。
私の個体は キッチリとメンテナンスを受けていないので 勿論万全の状態では有りませんが、それでも このヘリコイドリングを 廻した時の感触は素晴らしく パンタグラフを動かした時と同様に 官能的ですらあります。


























 
 この写真では判らないと思いますが、アンチニュートンフィルター(先端キャップ)から上は これで取り去りました。

 本来は、右奥のレバーを 手前に戻していって 少しづつコンデンサーレンズをリフトダウンしていって バネの力を利用して アンチニュートンフィルターでネガを直接 押さえつけるのですが、今回はその部分が素抜けですので この先の引伸し作業では アンチニュートンフィルターの重みだけで ネガを押さえている状態になります。



























 本当は この写真の下の部分だけで 上の御釜部分を完全に取り去って 自作 LED散光源ユニットをセットしたいのですが、バラした部品を丁寧に保管しなければならないし 早朝の茶事にしては少々面倒臭そうなので 結果はある程度目に見えていますが、今回はこのまま強引に 作業を続ける事にします。




























 繰り返しますが、仕方が無いので アンチニュートンフィルターをネガの上に直置きし その重みだけを頼りにします。

 普段 ネガを正しくセットして 右のレバーを手前に引くと スプリングの力で ネガは微動だにしないのですが、今回はユルユルですので セットした後も 左右に微調整(位置決め)する事が出来ます。

 それにしても クリアーなベースと相まって 滅茶苦茶 真っ黒いネガですねェ…。








 だから 結局今朝も Arduinoをセットすると こんな感じです。
























 このiPhoneで撮った写真だと 全然判らないと思いますが、このネガに関しては 結果は前日とあまり変わりませんでした。まぁ、それでも若干 軟調になったかなぁ…という程度。

 実物はもう少し階調が豊かなのですが、Blogに載せるのに HFIFからJPGに変換した際に 感じがチョッと変わってしまいました。
 
 でも、印画の右上の方が 濃度が薄くなっているのが判りますか? やっぱり自作の散光源をネガの上に直置きせずに 上の御釜のコンデンサーレンズが収まっていたトンネル部分(井戸)を経由しているので 中心部と周辺部で 明るさに差が出来てしまっているのです。




























 ネガを取り去った状態でランプを付けて イーゼルの台板上を見てみると やはり照明ムラがあります。
 ライツのイーゼルは イメージを投影する部分が 白塗りになっていますので よく判りますネ。

 まぁ、チョッとこの様な結果では これ以上 他のネガに変えてみたところで 仕方が有りません。でも、コンデンサーレンズ抜きにしても 特段 軟調になる訳でも無く このLEDでは さほど変わりは無い…という事は分かりました。

 明日は また 少し別の事をしてみようと思います。
















2025年6月20日金曜日

2025.04.18. つれづれ

 2025.04.18. つれづれ


 ライカこそ散光源で引伸ばさねばならぬ。②


 2025年 電子工作を再開しようと意気込んだのは 良かったのですが、フルカラーLEDのユニットを作ろうにも 以前の様に 5×7や4×5をカバーするサイズであったり 砲弾型のLEDに拘って作ろうとすると 数百個単位では 結構な金額になってしまうだろうし、脚も4本ずつなので ハンダ付けも結構な手間になってしまうでしょう。

 そこで 先ずは手っ取り早く ライカ判サイズの工作から始める事にしたのですが、意外だったのは フルカラーLEDも数がこなれて一般的になってきたのか 此の所の物価高にも関わらず 明るさに拘らなければ それ程大した単価では無かったのです。(ある意味 12年程前の BLUEや近紫外線のLEDと値段は大して変わらないかも…)

 前回の記事では LEDのユニット本体に焦点を絞っていたのですが、今回は それ以外の部分です。用意する物は大して有りませんので 何だ、この程度の工作で良いのか!と思っていただければ幸いです。早速 focomat Ⅰcに組込む為の筐体作りに取り掛かります。


 まずは、75φの塩ビの排水管の継手を 大根から分厚い千枚漬けを切るようにカットします。この作業は 正確に切るには工具が無いと大変ですし 丸鋸での切断は危険を伴いますので、無理にやる位なら その道の人に頼んだ方が確実です。

 電動工具は無いけど 腕に自信が有って手間を厭わない人は この位の径であれば地道にパイプソーで手挽きでもいいと思います。



↑コレは カットした残りの方。こちらも利用価値が有るので 


























 どちらにせよ カットしたら 切断面を均すため また、もし切断面が多少斜めやイビツになってしまった場合でも 根気よく削れば修正可能なので 120→180→240番位のペーパーでヤスります。



カット




























 続けてアクリルをカットします。カットと云っても ピラニアの様な アサリの少ない目の細かい鋸でひたすら切っていくだけです。ただ、塩ビ管の中に 収まれば良いので あまり神経質になる事は有りません。保護のための紙は細かい傷が付きやすいので 取り敢えずそのままにしておくのが無難です。





こんな感じ




























 取り敢えずこんな感じです。細かい粉塵が沢山付いていますが 元々水道管なので 水で丸洗いします。
 排水管の継手なので 中央にチリが付いていますが、要はこのチリを利用して アクリル板を嵌め込むのです。

 


バリ取り




























 最後に 切断面で手を切ったりすることの無い様に 目の細かいペーパーで 面取りします。
 1000番というと目の細かさが過剰と思われるかもしれませんが、ツルツルになって 手にしたとき気分が良いです。




実際に置いて 摺合せです。





























 取り敢えず コンデンサーレンズをそのままにしておいても使用出来るように 径に少し余裕を持たせています。



























2025年6月18日水曜日

2025.06.13. つれづれ

 2025.06.13. つれづれ


 ライカこそ散光源で引伸ばさねばならぬ。⑦

 ― フルカラーLEDの散光源ユニットを作り始める。― 



先ずは 購入したフルカラーLEDのチェックから。使用しているのは ゆくゆくはLED散光源の基板の上に2階を設けて 其処に実装してみてはどうか…と思って買ってみた Arduino Nano Every。でも、本で得た情報が古かったのか EVERYになって仕様が変わっていて ハードウェアPWMを備えた端子が全部で6系統有るつもりでいたのですが、5系統になっていました。


 ここの処 仕事の方が少しバタバタしていて忙しかったのだけれど、先月末に 秋月電子通商さんに 欲しいパーツの発注を済ませて 6月に入りようやくフルカラーのLEDで 懲りもせずfocomat用の散光源ユニットを作り始めました。

 フルカラーなので、今までは単色の1系統であったのが当然3系統になるので 光らせるLEDの数も3倍になるのだけれど、(3色一つのLEDに纏められているので パッと見は変わらないけど…)制限抵抗で一つ一つの電流量を 前回の物の1/3に絞れば、Arduino本体がUSBケーブルから受け取るバスパワーで賄えそうだったので 取り敢えずフルカラー初号機は その方針で進めてみる事に…







 偶々、思い立って作業を始めたのが 6月1日の日曜日だったので 基盤をカットする道具の用意も出来ていなくて 強引にカッターでカット!。

 まぁ、見た目を気にしなければ この位は気合いで何とかなるモノです…。
 でも、去年 怪我をしているので、便利ですが、カッターナイフの扱いには 用心せねば…。

 写真左のモノは、前回 ドライバドリルでカットした物。今回 最初にけがく為の型紙代わりです。









 前回は 写真の左の様な 両面スルーホールの基盤を使用したのですが、自分の様な 心配性且つヘタクソは 必要以上に ハンダを盛ってしまうので、余計なハンダがスルーホールを通して逆側に廻ってしまい 思わぬ失敗をしでかした経緯が有ったので 今度は片面のみの基盤にしました。

 今回は、当然 前回よりも混み合いの度合いが違いますので、全面一気に手を出したりせずに 上から順番に仕上げていきます。






























 今春から LEDの色を変え 都合3つほど作ったのですが、後から手直しするのが大変だったので 1ライン出来るごとに 点灯試験をして確認します。

 この写真は 1列目のBLUEとGREENの配線を済ませて 青緑色に光らせている処…

























 先月から 出張続きだったのですが、出張先の宿にも持ち込んで 夜なべ、朝鍋?しておりました。
 正直 単色の時とは 手間が違いますので、制限抵抗を付けている際には 一つのLEDにつき一つづつ取付ける今までのやり方のままでいいのか悩みました。心配なら W数が一つ上のクラスにして 許容誤差も少ないものにして 1列ごとに纏めてしまった方が 良いのではないか…と。


























 厳密な事を云うと 3色が一つのLEDに纏まっているので 回路的にも 少々今までと事情が異なります。纏まり方にも 纏まっている極性によって アノードコモン、カソードコモンの2種類が有って…。
 ただ、フルカラーLEDを 一度に沢山点灯させるには アノードコモンの方が一般的らしく また今回使用した角型(Flux型)のLEDも アノードコモンの方しか有りませんでした。

 上の写真は、またもやトランジスタをスイッチ代わりにすべく ブレッドボードを使って やがて基板上にハンダ付けする回路を仮組みしてチェックしているところ。





この写真を目を凝らして見てもよく判らないかも知れませんが、5Vではなくて 3.3Vの方の端子に接続して点灯させています。実はこのLED、青色の順方向電圧(Vf)が 3.3Vなので 3.3Vの端子に接続しても光るのです。 正直、逆側は直視出来ない程眩しくなるので 点灯試験では 敢えて3.3Vに落として光らせているのです。





























 6/12 出張先の宿にて あらかた完成しました。

 自分は ノートパソコンは このMacBookしか持っていないので、Arduino IDEをインストールして MacでArduinoに送るプログラムを書きました。(まぁ、これこそ 大したプログラムぢゃ無いんですが…)

























 
 その後も 点灯チェックをしていたのですが、何故か2箇所程 不具合が見つかりました。
 前日早朝の宿でのチェックでは 問題無いと思っていたのに…


























 週末、自宅に戻り 手直しを始めました。

 緑色のLEDを光らせた際に 赤く光ってしまっていた部分は ハンダの盛り過ぎの箇所どうしの接触が原因だったのですぐに解消出来たのですが、青く光ってしまっていた部分は LEDの下に最初に取付けた制限抵抗と 角型LEDの脚との接触が 原因の様でした。

 こうなると、一度取付けたLEDを除去して やり直さなくてはなりませんでした。
 除去と書きましたが、本当にピンバイスで LEDに小さな穴を幾つかあけて分割し ピンセットで取り除きました。(逆側の脚や制限抵抗をハンダ付けした部分も それに先立って取り除いたのは言うまでもありません。)

 正直、こういった作業には 現状のコテ先やピンセットでは厳しいなぁ…と 思いました。



























 ともあれ、何とか完成に漕ぎ着けました。
 今度の週末 青緑色にセットして GWに焼いたネガを 再び焼いてみようと思います。









2025年5月12日月曜日

2025.05.04. つれづれ

 2025.05.04. つれづれ

 ライカこそ散光源で引伸ばさねばならぬ。③

― 2025年度版 自作LEDの散光源ユニット(初号機)で 引伸してみる。― 

 GWも後半2日目の早朝。早速 focomat Ⅰcに取付けて焼付け作業をしてみました。





いつも使っている方でなくて もう一台のfocomatⅠcの方を使用しました。こちらは 印画紙を [現像→停止→定着] するスペースのスグ脇に置いてあります。その事も原因の一つか判りませんが、以前イーゼルのブレードが埃まみれになったので ウエットティッシュで拭ってそのままにしていたら何故か腐食してしまいました。ただ長辺方向のブレードは何ともないので もしかしたらこちらのブレードはオリジナル状態では無く入れ替わっているのかも知れません。






























 まずは宇宙人と揶揄されることもある 独特な塗装と形状のランプハウスの上蓋を外します。元々カブせてあるだけなので 簡単に外れます。
 中を見ると スプリングとその上の上枠(蓋)で コンデンサーレンズの収まった筒の様な部品を 押さえつけた状態のまま固定しています。

 何故 スプリングでテンションを掛けているかというと、そのコンデンサーレンズのユニットで 下に置いたネガを 直接押さえ付ける様になっているのです。

 ただ、コンデンサーレンズを傷めない為か ニュートンリングを発生させない為か 実際には自分のfocomatは コンデンサーレンズの先端に キャッブの様にアンチニュートンフィルターを嵌める様になっています。

 自分は持っていないので 判りませんが、Valoyでは 時代が下るとその仕組みが簡略化してか コンデンサーレンズの下部を 直接アンチニュートン処理してあるものも存在するようです。





上からネガステージにセットされたネガを コンデンサーレンズ越しに見下ろしたところです。 ネガを正像に見せる為に Blogにアップする際 天地逆にしてしまいましたが、実際は イーゼル上に正像を得る為に ネガステージに天地逆にネガをセットするので 上から覗いた像は 本来 天地逆になっている筈なのです。




























 取り敢えず 昔の自分にとっては極々普通のネガをセットしました。14年前 東日本大震災があった年の頃に撮影したネガです。この頃は その時々に応じてTMAX100,TMAX400,TRI-Xをその時の気分で使い分けていましたが、ちょうどその年に自分で印画紙にプリントする様になって TMAX100の粒状の細かさに気付き始めた頃でした。

 このネガはまさに そのTMAX100で撮影しています。観ていただいている通り ネガのコントラストはしっかりある感じです。ネガは ハイライト部がかなり濃いですが、目茶滅茶濃い…という程でもありません。

 いつも通り3時頃起床しましたが、珈琲を飲んで気分を落ち着けたり ライカ判のネガ帳を引っ張り出して来て 一発目の伸ばすコマを選んだりしているうちに 時間も残り少なくなって来ました。

 ですので、今回は まず最初に このコンデンサーレンズは外さずに 集散光式のまま 照明だけを 白熱電球から自作のLED散光源に置き換えて プリントをはじめてみました。







ArduinoにはDCジャックが付いているので、パソコンの有った部屋から 隣の暗室に移って来た事も有り スイッチングアダプタをコンセントに挿して給電しています。このDCジャックの入力電圧にはある程度 許容範囲に幅が有りますので、敢えてその為にスイッチングアダプタを購入しなくとも 現代人であれば何かしらの電気製品等に付いてきたものが流用できるかと思います。
































 先程の写真の状態に そのまま自作LEDユニットを被せる感じです。今回は LEDユニットのパッケージングが出来ていませんので、上方向には 光がダダ漏れですが、気にせずこのまま使用します。

 まだ、Arduinoの方のプログラムの記述も 自分はまだ何秒灯す、何秒消すのような単純な記述しか出来ないので 上のスイッチングアダプタは 取敢えず今使っている引伸しタイマーに接続して 結局焼き時間の調整は この引伸しタイマーを併用して やる事にしました。






点灯した状態で ヘッド部分をリフトアップしたところ
先程 イーゼルの羽根の1枚が オリジナルでは無いのではないか…と云いましたが、このネガキャリア(チョッとfocomatⅠcのそれは他の引伸し機と形が違いますが…)も純正品ではない様です。使っているうちに 塗装がいとも簡単にチョロ剥げて 地金のアルミがみえています。もう1台のfocomatⅠcの方は真鍮製で 重たいです。
































 もちろん 白熱電球の時に比べれば暗いです。普段はf11にしたままですが 今回は 引伸しレンズ FOCOTARの絞りをf8にしました。

 前置きが長くて申し訳無いですが、早速 焼いてみましたよぉ…





TMAX100で撮影したネガ。覆い焼き等は無く ストレートに焼いています。


























 TMAX100で撮影した先程のネガです。正直云ってビックリしました。白熱電球でノーフィルターで焼いた時より ダイブ硬調です。硬調ですが、粒子が鋭く投影されるのか 非常にシャープです。毛穴まで 人の肌の質感を捉えていて このネガはこんなに情報を持っていたのか!…という感じです。ただ、鋭いかわりに 8×10ですが ところどころ濃度によっては既に若干 粒状感を感じます。

 iPhoneが勝手に調整して 実際と若干感じが違うかも知れませんが、私にとって上の写真は硬調気味の写真です。肉乗りの無いネガから 多階調フィルターを駆使して焼いている人からすれば 全然 硬調には見えないかも知れませんが…。

 ただ、この写真は 8×10までのサイズでしか焼いた事が無いですし、これまでは 今回のモノとは別のfocomat(引伸しレンズはElmar)で焼いていますので、私の感じている差は 若干focomatの状態の差も差し引いて考えなければなりません。(Focotarのついた今回のfocomatの方が 元々若干硬調で 粒子が鋭くなるためか 少々粉っぽい画になります。)

 もっと時間に余裕を持って 事前に白熱電球のママ 一枚焼いておけばよかったですねぇ…。

 正直、軟調・硬調という事よりも そのキレというか ディティールの描き分けに インパクトを感じたので、無謀にもADOX CMS20ⅡPROで撮影したネガを引っ張り出して来ました。








ADOX CMS20ⅡPROで撮影したネガ。
この写真の中に写っている方の手を観て下さい。解像度の高いフィルムで撮ると この様にチョッと一見すると ぼやけた写りになります。そういう部分は まだ肉眼では限界が見えないです。もっとも、この写真の合焦位置は 手の平ぢゃ無いんですが…






























 やっぱり、元々 硬調気味のネガなので かなり硬調です。この写真も以前 Elmar付きのもう一台のfocomatで伸ばしているのですが、それより ダイブ硬調です。

 もちろんTMAX100よりも格段に微粒子なのですが、焼き付ける光が コンデンサーで整えられて 鋭く刺すようにネガに当たっているのか(実際に起こっている事は解らないが、出来た写真を見て思い浮かぶのは そんなイメージなのだ…)背後の左の方のドアや右の車のボディの一部の部分で 僅かに粒状を感じます。

 ここまでで 夜明けになってしまいました。今宵は此処までに致しとうごじゃりましゅる…。続きはまた明日以降に致しましょう。