2025年8月11日月曜日

2025. 08. 10. つれづれ

  2025.08.10. つれづれ

  ライカこそ散光源で引伸ばさねばならぬ。⑪

  ローライも散光源で引伸ばさねばならぬ。④

  ― 6×7サイズまでをカバーするLEDの散光源に改良を加えてプリントしてみる ― 
























 

 連休が始まって2日目の朝。






























 まずは 8月9日 土曜日のお盆連休初日から…。この日の朝は 暗室作業は何もせず…。しかし、前日 金曜日の晩から自作散光源の基板上の LEDの増設をしていて その作業は日中に出来上がった。

 ↑ 上の写真でいくと 右側のトランジスタの付いた方は もう余地が無いので それとは反対側に もう1ライン増設している。コレを、チョット偏心させて 排水管の中に据えれば もう 片側光量不足には悩ませられない筈なのだ。

 ただ、この増設というのが 口で云うのは訳無いが、もう出来上がった脇に更に足していくので 配線はグチャグチャで結構難儀した。今月の頭にメガネを5、6年振りに新しくして 今回初めて遠近両用眼鏡にしたのだけれど、ハンダ付けの際はその老眼鏡モードも何の役にも立たず。(通勤電車の中で スマートフォンの画面を見るのには役立っている。)

 結局、相変わらず鼻眼鏡にして下にズラすか メガネを外して裸眼の状態で細かい作業に挑んでいる。






























 別にそのまま使えば良かったのだが、時間が有ったのと 9連休の初日で ココロに余裕が有った事もあり、今後の事も考えて 2階建てにする事に…

 取り敢えず簡単なやり方でArduinoの上に増設するシールドの様な物を拵えました。勿論、随時 取り外し可能です。

 やがては、MOSFETとリレーで1色につき1系統の回路で駆動出来る様に 改修予定ですが…(現在は LEDをドライブさせる電流も Arduino経由で貰っているので 総量は勿論の事、トランジスタ一個当たりの 電流を抑える為に RGBの各チャンネルを 2PINづつ 合計6PINに割り振って 尚且つ3.3Vで ドライブしています。)お盆休みは 取敢えずコレで色々プリントしてみようと思います。





























 ↑ コレは 作っている途中の写真。結構 いい加減な人間なので 最初に 円型の基板を切り採った際の 残りの端切れを利用しています。排水管の中に収まる様に アウトラインを 下のLED基板に合わせて 切り揃えていますが、それでさえ ニッパーを爪切りの様にして 大雑把にカットする始末…。





























 ↑ こんな具合に収まっています。

 でも、作った本人からすると 2階建てにした一番の効能は 上屋にした逆rの形状の基板やら ソコに取り憑いた 頑固なソケットやらで 摘み易くて 排水管の中に落とし込んで 細かな位置決めをするのが格段に やり易くなった事です。


 そして、8月10日 早朝プリント作業をしてみました。


 まずは ピントの調整から…。前回 ピントが合っていないのが分かっていながら 何故作業を続けたのかと云うと 時間的にも精神的にも その余裕が無かったから。

 前回の様に1秒点いては消え…1秒点いては消え…では 落ち着いて ピントを調整出来る訳が有りません。

 今回は、前回の結果を踏まえて 実質の露光時間が30秒を上回る事は無いと考え、30秒点いては消え…30秒点いては消え…に変更しました。勿論、引伸しタイマーに繋いでいますので それ以下の任意の時間にセットして点灯させる事が出来ます。
































  スイマセン、前回と同じネガです。

 でも、この写真 非常にピントがイイんです。幾つ位まで絞って撮影したか判りませんが、結構 アチコチにピントがいっています。今回は 画面中央付近の庇の下 建具の付いていない部分の長押を見てピントを合わせました。

 撮影時に ピントを合わせた箇所では無いのですが、ピークルーペを見ながら Vエルマーの収まったリングを廻すと ココだな…と思える箇所が有りました。

 正直云って 幾らピークルーペを覗いても この程度の引伸し倍率じゃ 粒子の一つ一つなど判りませんから…。自分でオートフォーカス式のカメラの様に 行き過ぎたり戻ったりを繰り返して 引伸しの暗い像のコントラストのピークを掴むのって 結構 気力を使います。

 自分で意識してやっている訳じゃ無いんですが、そのピークルーペを覗いてる時って 矢を射る時か何かの様に 何故か息を止めてるんですョ。だから 山が掴み難い時は 呼吸の為に 一旦ピークルーペから顔を離します。

 

























 ↑ 今回のテストピース。

 左側から 10秒、11秒、…と1秒刻みのステップ。チョッと全体的に 露光不足気味になってしまいました。

 一番右端は 21秒なのですが、過去にこのネガを焼いた経験から 最低でも向拝(21秒の部分に写っているのが向拝とその背後の木立です)がしっかり出る位に焼かないと 明るい部分に関しては 濃度不足になってしまうのが分かっていましたので、本来は もう一枚テストピースを焼いて 慎重に判断すべきなのですが、夜明けが迫っていた事もあり 21秒で ブッツケ本番プリントを焼いて見る事にしました。






























 結果は マズマズでした。何より 前回もそうでしたが、全く覆い焼き等をせずにストレートな露光でここまでのプリントが出来てしまう事に 正直驚いています。

 ピントは今回はバッチリ合っているのですが、その分 細かい部分を見ていると 解像しているので 若干ボケていたプリントと比べると 一見 硬くコントラストの有る描写に感じます。
































 この写真 おそらく夏の盛りに撮っていますが、薄曇りであったため 庇の深いこういった建築にとっては撮影日和でした。 青空は望めませんが 時折柔らかい陽が差して ちょうど叉首の束のところに 薄っすら懸魚の影が浮かんだタイミングを狙ってシャッターを切った記憶があります。

 ピントはちょうどその懸魚の辺りに合わせています。


























 日は変わって 8月11日、今度は ローライで撮った人物写真を伸ばしました。

 近頃は ただひたすら建築の写真だけを伸ばし続ける事が出来ません。どうしても建築写真を伸ばした後は 人の表情が映った プリントが恋しくなります。

 こちらも なかなかイイ感じに仕上がりました。やはり 露光ムラも無く大丈夫みたいです。

 こちらはオンボロローライという事もあり、元々のネガにコントラストがない為か(撮影時間も夕方の日陰だったし…)プリントにもあまりコントラストがない為 手持ち撮影にしては良く写っていますが、前日の写真と比べるとシャープというよりも 非常に細かな写り…と云ったトコロです。細か過ぎて 我が目をもって凝視してみても限界が見えません。

 何だか それならもっと大きなサイズに伸ばしてみたい…という気持ちと いよいよ自作散光源のBlueとGreenの比率を変えて 号数を上げてプリントしてみたくなったのでした。
























水洗していると 久しぶりの雨…こんなにまとまった雨はどの位振りだろうか… その雨音と 水洗バットに水の落ちるチョロチョロという音が重なって 何だか心地良い。久しぶりに呼び戻された感覚…だったのだが、雨はその後 激しくなり その交錯した音も 掻き消されてしまった…。



2025年8月4日月曜日

2025.08.01. つれづれ

  2025.08.01. つれづれ

  ライカこそ散光源で引伸ばさねばならぬ。⑩

  ローライも散光源で引伸ばさねばならぬ。③

  ― 6×7サイズまでをカバーするLEDの散光源で引き続きプリントしてみる ― 


 8月になった。


























 ツバメが群れて飛ぶようになった。もう 南の方へ旅立つ日も近いのだろうか? 例年だと お盆の少し前辺りだろうか?


























 前回のプリントでは 上の写真の様な感じに focomat Ⅱcのコンデンサーレンズの上に 自作LED散光源を据えて プリントしてみたのですが、6×6のコマの内、片側が露光不足に見舞われる…という事態に…。

 製作時には この位なら多少余裕が有ると思っていたのですが… 少し考えが甘かったのでしょうか?



























 そこで、アクリルの散光板とLEDユニットの間には 中間リングの様なものを噛ましているのですが、そのリングの高さを変えて LED光源から乳白色アクリル迄の距離を 若干大きくして試してみることにしました。

 この散光源の筐体は 塩ビの排水管の継手を利用したものですので、この中間リングは 排水管そのものという訳です。上の写真の様に 切り込みを入れて遊びをつくり 脱着が容易に出来る様にしてあります。

 特に明確な寸法…というか考えが有ったわけでは無いのですが、幾つか用意しておりました。


























 
 もちろん focomat Ⅱcなどの普通の引伸機にもオパール電球の位置を調整する機構は備わっています。

 スイマセン、この写真では 豚のしっぽの部品が 破損したか正しい処に刺さっていないので、ケーブルがだらしなくなっています。

 パーマセルテープは 部屋が散らかっていても その所在がすぐ判る様に たまたま此処に掛けてそのままになっているだけです。

 何はともあれ、プリントしてみました。




























 結果は やはり片側の端が露光不足となってしまいました。それにしても 左右でこんなに差が付きますかね…。

 露光不足でない部分は 比較的いい感じに焼けております。

 ここで こんな事に触れても仕方無いかも知れませんが、以前ベセラーで ブルーとパープル(近紫外線域)の自作LED散光源で 同じネガをプリントした事が有るのですが、それに比べるとドス黒さ的なものが全く無いので ソチラと比較してしまうと 黒の深さ…と云う点では 少々モノ足りなさを感じる…という事は有ります。



























 その際だったが憶えていませんが、このネガは以前にもこのBlogで取り上げた事があるのですが、やはり Agガードの析出したのを傷が付くのを恐れて拭かずに残しておいた部分は しっかりとプリントに現れておりました。

 先程は そうも思わなかったのですが、てっきり銀粒子の限界が見えないから…と思っていましたが、この部分を見ると 原因は判りませんが チョッとピントが甘い様です。

 作業をしているウチに 若干ズレてしまった様です。



























 

 自分の場合 手順が多い為 慌ててやると よく間違いを起こすのですが、この日も ベタを追加で焼き付ける際に フィルムの表裏を 間違えてしまいました。

 このBlogに揚げたiPhoneの写真では判らないと思いますが、ピンボケしている背後の倉庫の様な建物に 何となく粒状感というかザラザラ感を感じます。

 以前 ブルーとパープル(近紫外線域)で プリントした時も この部分が一番 ザワザワした感じになりました。まぁ レンズ特有のボケ味も関係していると思いますが…。

 



























 確かに こうやって以前の写真を改めて振り返って見ると、6×6や6×7をカバー出来ればいいや…と割り切って LEDを埋め尽くさなかった部分の陰が 向かって右の方が大きめで 等しくなっていない様な気もするのですが…。



それから2日経って 2025.08.03. 日曜日の朝…

























 

 そこで、排水管の中に納まっている LED散光源ユニットを 180°回転させて据えてみました。本日の記事の最初の方の写真と比べていただくと 黄色いピンソケットの位置が 反転しているので 判っていただけるかと思います。

 そして、6×7のネガをセットして 焼いてみることに…。
 選んだのは Mamiya7の43mmで撮った建築写真。ネガを濃く仕上げてしまっている事も有って テストピースから気が抜けません。


























 

 前回の投稿の写真で 最初のもの(一般的な濃度のネガ)は 露光時間8秒、次の濃いめのネガを焼いたものは ほぼ倍の露光時間が掛かりましたので、今回のネガも 8×2=16秒程度が適正ではないか…と思ってテストピースを焼きました。

 iPhone上で 写真に簡単にコメントを書き加えられますので、露光秒数を 割振ってみました。

 ウーン、視界を遮っている木立の附近を見てみると 15,6秒でも十分な気もしますし、このテストピースでは 入母屋の部分の檜皮葺きの表情を重視していますので 全体の調子(バランス)が 全く把握出来ませんので、明らかな露光不足の部分を生み出してしまう位なら 17,8秒で焼いても良い感じがします。

 結局 浅いプリントになってしまう方が怖くて 18秒(1+1+1+…)でストレート焼きしました。


























 結果はマズマズ…といったところでした。でも、やはりピントは甘くなってしまっている様でした。焼きでは ココまでの結果が出せているので 詰めが甘い…というか 少々もったいない感じがしました。

 それにしても、どうしてもiPhoneが勝手に写真を補正してしまいます。実物は 全体的にもっと黒いです。

 この定着液に浸った状態で マァマァ程良い濃さなので 水洗後 乾燥させると ちょっと黒いプリントになってしまうと思います。

 ネガが濃い事も有って 正直オパール電球で焼いていた頃には 覆い焼きをしないと 見られない感じだったのですが、今はストレートにプリント出来てしまう事に 正直驚いています。

 勿論 ベタ焼きと比べれば差はあるのですが(今回はベタ焼きを余白に焼いていませんが…)、オパール電球で その昔 覆い焼きを駆使して焼いていた頃は 少しでも焼き込みすぎるとその部分が気になっていたのですが、今回は 特に引伸しの影響で 階調が詰まったように感じることは有りませんでした。

 そう言えば、上の写真を見る限り 6×7は十分カバー出来ている様ですし ネガの(この6×7の1コマの事を云っているのではありません)短辺方向の 露光不足(偏り)も この写真に関しては気になりませんねェ。

 サイズの関係で LED散光源をセットする位置が 結構シビアになっているだけなのでしょうか?


























 

 ひと頃(夏至の頃)と比べて 日が少し短くなって来ました。 夜明け前に暗室作業をする自分にとっては有難いです。

 今朝は 4時頃からプリント作業を始めたのですが、本番プリントを1枚焼き終えると もう薄明が始まっていて 欄間から光が差し込んで来ていました。まぁ、この位なら まだ少々の作業なら カブりませんが 油断は禁物です。



























 

 それにしても テストピースといい、この写真といい 変なモノまで逐一写真に撮って揚げるなぁ…と思ってらっしゃいますか?

 先日 RICOHFLEXを下さった方もそうおっしゃいましたが 自分が暗室作業をしている事を知ると 普通の人は 「暗がりの中で 像がジワジワ出て来るのが堪らないんじゃありませんか?」とか言うぢゃないですか。

 正直云って そんな段階は もう、とうの昔に通り過ぎているのですよ。

 モノクロ写真を制作する一番の愉しみは 実体としてあの紙に焼き付けられた プリントに触れる愉しみです。

 実のトコロ 定着液に浸っている状態では 未だ素手で触れる訳にはいきませんが、このトロトロの定着液の中にまだ浸っているプリント、そしてそれをピンセットで引き出した時の手に伝わる感触(竹ピンじゃ得られないと思いますが…)、そして引き揚げた後のバライタ紙の質感が何とも云えず 堪らないのです。

 だから、そういう事を伝えたい意味もあって 無駄に思える様なシチュエーションでも セッセとアップしているんです。

 先日、たまたま アサヒカメラのバックナンバーを漁っていた時に 三好耕三さんの記事(2018年5月号)を読んで腑に落ちたのですが、自分の思っているのは まさにそこで 三好さんが仰られている様な事なのです。


 チョッと話がまた変わりますが、例えば先程の 薄明が訪れた写真は 後々 この時期はこの位まで暗室作業が出来るのかぁ…と振り返る 一つの目安にもなります。
 
私はiPhoneで撮った写真は この様にBlog等で利用してもオリジナルは必ずiPhoneに残しています。常に手許に有るので いつでもその写真の持っている情報を利用出来るのです。便利な世の中になったものです。
































 ←ただ、コレはやり過ぎです。或る意味 気味が悪いです。確かに私は『暗室』というアルバムを設けて 分類していますが…

 AIはもうこの写真が 暗室の写真だと解ってしまうのですね…。(もっとも、セーフライトで真っ赤っ赤だから かえって解り易いのかぁ…)



























 スイマセン、また 話が脱線してしまいました。

 チョッと片付けるのに時間が掛かりそうなので スグにとはいかないのですが、べセラーの方でも試してみたくなって来ました…。

 続きは、近いうちに また…。
















2025年7月31日木曜日

2025.07.24. つれづれ

  2025.07.23. つれづれ

 ライカこそ散光源で引伸ばさねばならぬ。⑨

 ローライも散光源で引伸ばさねばならぬ。②

  ― 6×7サイズまでをカバーするLEDの散光源で取敢えずプリントしてみる ― 


 取敢えず focomatⅡcにセットして プリントしてみた…























 試用を付け焼き刃に始めてしまったので 取敢えず色の細かな調整はせずに ごく普通に緑と青のラインを通常に点灯させて そこで混色された青緑色そのままに 先ずはプリントする事にした。果たして どんなコントラストに焼けるだろうか?

 正直言って まだこの自作散光源ユニットは タイマーによる細かな点灯時間の制御は出来ないので、今迄使っていた引伸ばしタイマーに 散光源ユニットへ電気を送る AC-DCアダプターを接続して 其処での スイッチON-OFFで ArduinoのON-OFFを制御している。

 もちろん3.3Vで給電した光は それまで使っていたオパール電球のそれと比べて かなり暗いのだが、ブルーやパープルオンリーの散光源の時と違って、ネガをセットする(ネガキャリア上での細かな位置決め)に困ってしまう程では無かったので ホッとした。

 昨日は 折角完成させたのに いざプリントしようとすると気乗りしなかった…と云ったが、それは その時に焼こうと思っていたネガが出て来なかったため…。完成祝い?の最初の1枚なのだ。その最初の1枚が 何でも良い筈が無い。

 ゴールデンウィークに Leica M3、フィルムは ADOX CMS 20 Ⅱ PROで撮ったネガを自作散光源でプリントしたが、確か同じタイミングで 例の御仁をオンボロローライで DELTA100で撮ったネガも有ったハズ… と思ってあちこちに有るネガファイルを探したのだが 昨晩は それを見つけられなかったのである。

 先々週末に focomatⅡcで 11×14のバライタ紙でプリント作業をして そのままになっていたので、そもそも倍率を変えるのが面倒だったのと どうせ8×10で伸ばしても 少なくとも 解像感の限界なぞ 絶対に感じられるはずがない事は判っていたので プリント後の水洗処理は面倒だが、11×14のFBで テストプリントを始める事にした。

 ネガは 結局のところ そのGWの時のものとは全然関係ないが、例の御仁の写ったものだ。




もう かれこれ 12、3年前に撮影したネガです。フィルムは ILFORDのFP4+です。この当時から DELTA100と合わせて 僕のお気に入りのフィルムです。(この頃はまだ良かったのですが、それからはTri-Xは年を追うごとに高くなっていきました。)品質に信頼を寄せているだけでなく お財布にも優しかったんです。初夏か晩夏、もしくは秋の始まりの夕方 日差しが穏やかに落ち着いた時間に撮影しています。自分にしては ネガの濃度も特別濃い訳では無く オンボロローライで撮っていますが 晴れていましたので ネガにはしっかりとコントラストが有ります。


























 ネガを透かしてみて 漠然と 10秒前後かな…15秒、20秒などにはならない筈…と思って 先ずは1枚目のテストピースを 思いつくままに 様々な秒数で焼いてみたのだが、なかなか いい感じに焼けている部分が有った。

 取敢えず このまま本番プリントまで続行しても問題無さそうだ。

 大体 8秒辺りと当たりを付けて 次は1秒毎に露光時間を変えて 2枚目のテストピースを焼いてみた。

























 下側は 先程の1枚目のテストピース。上の2枚目はそれを基に 6秒、7秒、8秒、9秒、10秒と1秒ずつ 時間を延ばして焼付けている。

実を云うと Arduinoのプログラムで 1秒点灯させたら2.5秒消灯 それをひたすら繰り返すように命令しているので 自分でサッと手で覆ったり、引伸ばしタイマーの点灯スイッチを チャカチャカ押さない限り現時点では この1秒ステップのみで 細かな時間設定の 焼付けは出来ないのです。

 だから、本当は正確に云うと 例えば上のテストピースのスタートは6秒ではなく(1秒+1秒+1秒+1秒+1秒+1秒)なのである。

 今までオパール電球を使って 多階調フィルターを使わずに 120のネガを 8×10のRC紙に焼いた場合、(フォコターの絞りはf8かf11か忘れてしまったが…)通常のネガでは その露光時間は 僅か1秒~2秒程だった。

 正直、ここまで短いと 覆い焼きや 追加の焼込みも 一瞬で有るため 非常にやりにくかった。また、仮にその1枚が上手くいったとしても コンスタントに再現出来るようなモノでは無かったのだ。
 
 ここで話ついでに 今までの環境にもう一つケチをつけると、今使っている引伸ばしタイマーの時間設定なのだが デジタル表示ではなく アナログのボリュームなので 目盛は等間隔に ついているのだが、暗室灯しかついていない部屋の中で ボリューム自身のつまみの影も出来たりする事も有って 1秒単位なら問題ないのだが それ以下の細かな秒数の設定が イマイチやり辛かったのだ。

 もちろん その目盛上の1秒の設定が 実際に正確に1秒で有る必然は無く、常に同じ時間を再現してくれていればよいのだが、そもそも そのボリュームの目盛上の値も 例えばしっかりと1秒+1秒=2秒となっているのか 疑問だったのだ。

そんなこともあって 今回はそんな風に Arduinoがカウントする1秒の積み重ねで 露光してみる事にした。

 まぁ、ドライダウンを考慮して 適正露光8秒とみてプリントしてみた。


























 結構 いい感じに焼けている。
 ちなみに、プリントは8秒(1+1+1+1+1+1+1+1sec) のストレート露光。ベタは下段が6秒、上段の一コマだけのものが5秒。

 それじゃ、何のテストにもならないぢゃないかっ!と云われそうだが、オパール電球や蛍光灯電球、通常の白色LED電球などで焼いたものと見比べている訳では無いので、その場で プリントを見て感じたままに云うと まずは滑らかにいい感じに焼けています。過去に 普通に同じfocomatでオパール電球で焼いているのですが(そのプリントは失われて 今は手許に有りませんが)、もう少しザワザワした感じで ここまで滑らかでは無かったと思います。

 そのザワザワというのは、フィルムが DELTA100ではなくFP4+ということもあって、淡いグレーの濃度域において 若干粒状を感じられた…という事なのだと思います。

 今回はどういう訳かは 解りませんが、軟調部分を担っているグリーンの光が 銀の粒子のエッジをボカしているのか とにかく滑らかです。それでいて ボヤボヤしている訳では無く 解像感もあって 見ていて非常にスッキリした感じです。

 とにかく オパール電球で焼いていた頃と比べると 一皮剥けた…といいましょうか、これはチョッと言い過ぎかもしれませんが、次元の違う感じです。



























 上のプリントを拡大して見たところ。

 勿論 ここまで来るとネガをルーペで見た位では判りませんが、顎ヒゲ附近のジャージの襟元からファスナー当たりピントがいっているのが判ります。ものスゴいシャープに解像していて 繊維のよりも判別出来ますが、粒状が判らないので ド近眼の自分が観ても 限界を感じません。
 
 本当は iPhoneの写真でもっと伝えられればいいのですが、自分が今使っている iPhone 12 Pro Maxは マクロ域の撮影が苦手です。

 プリントのトーンは良しとして、上の2つの写真の黒縁を注意してみて頂ければ判るのですが、どうやら 明らかな露光ムラ(照明ムラ)が有る様です。

 何でコイツ いつも黒縁とベタをいつも一緒に焼き付けるのだ…と 思っている方も多いと思いますが、以前の記事の何処かで もう既に触れているかも知れないのですが、黒縁はこういった事も気付かせてくれます。(黒縁が無ければ気付かぬ程の 露光ムラ、現像液の疲労による黒の締まり不足もあります。)





























 当初は、使用していた現像液が疲労していたし 僅か1ℓを大四切用のバットで使っていたので もしかして バットに印画紙を滑り込ませる様に投入した際に 紙の左端がしばらく浮いていて ペーパーの現像ムラか…とも思ったのですが、通常その場合には こんな なだらかなトーンで 現像ムラになったりはしないので…。





























 次の日の朝(つまりは今朝)別なカットを伸ばしてみたが…

 心無しか現像液の能力も昨日より 更に落ちている気がするが、やはり 写真の左側 露光不足になっています。

 現状の使い方では どうやら問題が有る様です。対策を施さねば…



























 2025.07.29. 追記

 今朝も 照明の位置を再確認、微妙に調整して臨みましたが、やはり 画面左側が露光不足気味でした。(現像液も新しくしました)

 上の写真だと イメージ部分の下側も露光不足気味の様になっていて 判りにくく(話をややこしく)してスイマセンが、こちらは おそらく撮影レンズのカビの影響で ネガの時点で コントラスト不足です。その下の黒縁は ハッキリ出ていると思います。

 この写真、最近写真を撮らせていただいた方(顔は写っていませんがこの写真の方)から タダで譲り受けた RICOHFLEXで撮影しています。モデルはⅦSです。f5.6で撮っていますが、本来の性能が出ているか判りませんが、中央部の解像は素晴らしいのですが、四隅は甘いです。

 コチラ、フォーカスリングが動きませんので 現在は調整中です。





















2025年7月22日火曜日

2025.07.21. つれづれ

  2025.07.21. つれづれ

 ライカこそ散光源で引伸ばさねばならぬ。⑨

 ローライも散光源で引伸ばさねばならぬ。②

  ― 6×7サイズまでをカバーするLEDの散光源のひとまずの完成 ― 




























 当初は3連休のつもりだったのだが、土曜日は仕事になってしまって 結局 続きのまとめ作業を始めたのは 日曜日になってからだった。





2SC1815も製造元などによって 仕様が異なっているかもしれませんが、一応 1個当たり150mA位までは流せそうだったので、Arduinoからの信号を受け取ってドライブする為の回路として組込んでいきます。本来はフルカラーLEDは3色構成なので 3個つければ十分に思われるかもしれませんが、上記の様に 1個当たりの負担を150mA未満とする為に 1色当たり わざわざ2系統としているのです。






























 今回はLEDの数も前回と比べて3倍程になっているので(35個→108個)、その為のドライブ回路は 前回と同じ…という訳にはいくまいと思っていたのだが(Arduinoで点灯制御するのだから ArduinoのPINとは接続されていなけばならない)、自分の性分からして 兎に角 早く試してみたくて 何か方法は無いかとチョッと考えていたのだけれど、たまたま 前回の奴の点灯試験を 眩しく無い様に 3.3Vに抑えて点灯していた事を思い出して、今回 一時的にテストする為に使用するのであれば 3.3Vに落とせば 取敢えず前回と同じ2SC1815で何とか負担出来そうな事が判ったので 今回はマズはその線で試してみる事に…。



























 こちらは 上の写真の裏側。作りっ放しになっていた一列ごとの終端を 色ごとに纏めていきます。もう 電子回路というより すずメッキ線で あやとりか刺繍でもやっている気分…。

 でも、こうやって周囲を繋げて固めると思ったよりしっかりして 手でチョッと押した位では歪まなくなります。この作業をするまでは 正直ぐにゃぐにゃしていますが…。

 これ位のサイズだと やっていて途中で嫌気がさしてくる時もあるのですが、この作業で廻りが閉じられてくると 自分の気持ちも何故か落ち着いた感じになってきます。ひとまずの完成はもうすぐです。




トランジスタが6つ付いているのが 判りますか?
もう片方の島はそのままにしてあるので やがてMOSFETでの正式なドライブ回路はこちらに組込もうと思います。



























 計算上は 定格をオーバーしていない事は判っているのですが、それでも 不安なので 1ラインづつ接続させて確認しながら 次に進みます。もちろん これは3.3Vで点灯させていますが、5Vも3.3Vもどちらも眩しくてジッと直視するのは危険なので あまり明るさの差を感じる程 見比べた事はありません。

 一応、一つのトランジスタでこれだけを負担しているという訳です。




























 緑の点灯がすんで 青を片方点灯させたところ…大丈夫みたいです。
 その後 全て点灯させましたが、 計算上では 全部で合計300mA程(LEDのみ)でしたので、ArduinoをUSBケーブルでパソコンに繋いで バスパワーで点灯させても 問題ありませんでした。

 これが、5V点灯ですと1.4A程になりますので ArduinoはPWMによるスイッチングの信号を送るだけで LEDをドライブする電力の供給も 別な回路を用意しなければなりません。

 まだまだ かなり先の話になりそうですが、本当は デジタルタイマー的な機能は 頑張ってArduinoの中に盛り込みたいのですが(勿論 値を入力したり 表示する装置が必用ですが… 本当は 今ではこういう事に長けた人は この部分に関してはスマートフォンでアプリを作って そこから Wi-FiでArduinoに指令を送るようです。自分には夢のまた夢の様な話です。)




























 自分なぞは 製作している時に 無計画で行き当たりばったりで部品を付けているので、たとえば 上の写真の様に Arduinoの接続ピンの配列と 自分の散光源ユニットの接続ポートの配列には全然規則性が有りません。ポートの部品の表記も無視して作っているので 本当にてんでばらばらです。

 後で接続し直す時に 判らなくなってしまわない様に こうやって接続状況を メモ代わりに写真に撮っておきます。そういう意味ではスマートフォンが出来て 自分の様なオッサンにも便利な世の中になったものです。


























 組込む筐体は基本的には以前と同じ考え方で 前回とはサイズ違いの やはり排水管の継手を利用した代物。

 LEDの製作の方が 実質一月弱掛かったので その間にコチラは準備出来ていたのです。

 乳白のアクリル板の上に スライスした排水管を載せて そのチリ(塩ビの厚み)にLEDの基板が載るようになっています。
 
 スライスした排水管は(よく見ないと判りませんが 12時の位置に)切れ目を入れて有って それが緩みとなり 中に嵌め込んだり 外したりが容易に出来る様になっています。ぶっちゃけ 中間リングやエクステンションチューブのつもりで 様々な排水管をカットした物を用意すれば 幾重にもして様々な径を作り出す事が出来ます。


























 ケースに収めて(今のところ 下しかないが…)点灯させた様子。

 継手部品を 中央チリの片側の処まで切詰めて 細かいサンドペーパーで均して仕上げてあります。其処に 残したチリに掛かるサイズの 乳白のアクリル板を落とし込んであります。


























 上の排水管の継手部品の片割れが有ったので focomatⅡcのコンデンサーの収まったバケツの縁に 恐る恐る載せてみると  何と!ギリギリではあるが コンデンサーレンズを傷めずに 収まるではありませんか! focomatにするかベセラーにするか 悩んでいましたが コレなら取敢えずfocomatⅡcの方から試してみる事に…。

















 取敢えず今回はこんな感じで行こうと思います。

 ここまで 読んで下さった方には 突然悲しいお知らせなのですが、この段階までは月曜(祝日)の日暮前には出来ていたのですが、結局 その日は夕食を摂ったあとは気乗りせず 何もやらずじまい…。明けて(一旦寝て)翌朝も 何もせずじまい…

 その試用結果についてのレポートは  もう少しだけ時間を下され…。

















2025年7月18日金曜日

2025.06.25. つれづれ

 2025.06.25. つれづれ

ライカこそ散光源で引伸ばさねばならぬ。⑧

ローライも散光源で引伸ばさねばならぬ。①

 ― 6×7サイズまでをカバーするLEDの散光源ユニットを作り始める。― 


 ライカ判の フルカラーLED散光源を完成させた処までは良かったのだが… その後 何故かその性能の検証の為のプリント作業が 夜明け前に起床しても 気乗りせず ほったらかしのまま…。

 一つの理由は ここ何年かは 永い事 6×6判ばかりを写しては伸ばしてきたので フォーマットサイズ的にも それを伸ばす引伸機的にも ライカ判はイマイチ乗り気のしない事です。

 実は、自分からすると focomatⅡcやベセラーは非常に使い易いです。ベセラーの方は 造りからしてその精度は結して信用していませんが、この2台は やはりフォーマットサイズが 135より余裕が有る事もあって、ネガキャリア廻りの 取り回しが非常に快適です。

 focomatⅠcは 135専用機という事もあって 精度や引伸しレンズの描写には絶大な信頼を置いて いるのですが、いかんせん小さくて ネガをセットするにも せせこましい感じがするのです。(そもそも、その引伸しレンズの焦点距離からして ネガから台版までの間の間隔も狭いですから…)

 そこで、この際 一気に上位のフォーマットのためのLED散光源を拵えたらどうだろう…という気持ちが芽生えて来てしまったのです。



 次は 幾つ位の径で作ろうか迷ったのですが、一気に4×5のサイズをカバーする物を作ろうとすると そのハンダ付け作業は気が遠くなりそうなので、取り敢えず100Φで作れば 6×6、6×7はカバー出来るだろうと踏んで またもや見切り発車!(^^)b





























 今回は基板をドリルを使って 円形に切り取りました。
 思い立つと 直ぐにヤらずにはいられない性分なので 基板を買って来て おもむろにカットしたのですが、周囲がバリバリになってしまいました。





























 余っていたLEDをザッと並べてみました。一応レイアウト図を描いたのですが、実際に配置してみた方が 実感が湧きます。

 今回も LEDを縦長に配置。コレをネガステージに合わせて 角度を調整して配置し 向きによって6×7をカバー(あわよくば6×9をも)しようという算段です。

 来月になって お小遣いが支給されたら不足分を補おうと思います。

 取敢えず 待っていられないので、今有る分でけでも…と思って作り始めました。
 まぁ、根詰めて嫌になってしまわない程度に… 一月位は掛かってもイイやぁ…と 自分に言い聞かせて…。






本来は モノクロ専用であるならば 赤は必要無いのかも知れないのですが… まぁ、折角フルカラーLEDを使っている事ですし やがてカラーに手を出す可能性も全く無いとは言い切れませんので 取敢えず赤のラインも製作していきます。
それと 一度は試してみたいのですが、モノクロペーパーの多階調フィルターって 何号相当のか判りませんが 確かピンク色っぽいのも 有った様な気がするので…





























 やはり 以前と同じ様に 1ライン作る毎に点灯チェックをします。Arduino UNOの方はもう フルカラー版の出来上がり状態で(一定の秒数で点灯させるだけですが…)点灯する為のプログラムが書き込んであって いちいち更新するのが面倒なので、点灯試験用には 引き続き Nano everyを使っていきます。

 この調子ですと、まだまだ 結構掛かりそうです。


 このBlogは 自分にとっては日記的な意味合いもありますので ココからはその後の経過を追ってみました。(他愛も無い写真ですが、興味有る方は 見てみて下さい)













































































2025.07.
最初の方の ライン点灯チェックの写真と Arduinoとの接続が変わっていますが解りますか?
























2025.07.18. 朝





 だいぶ 出来上がりました。明日からの3連休の最後の方でも良いので 何とか テストプリントに 持ち込めないかなぁ…