2025.08.01. つれづれ
ライカこそ散光源で引伸ばさねばならぬ。⑩
ローライも散光源で引伸ばさねばならぬ。③
― 6×7サイズまでをカバーするLEDの散光源で引き続きプリントしてみる ―
8月になった。
ツバメが群れて飛ぶようになった。もう 南の方へ旅立つ日も近いのだろうか? 例年だと お盆の少し前辺りだろうか?
前回のプリントでは 上の写真の様な感じに focomat Ⅱcのコンデンサーレンズの上に 自作LED散光源を据えて プリントしてみたのですが、6×6のコマの内、片側が露光不足に見舞われる…という事態に…。
製作時には この位なら多少余裕が有ると思っていたのですが… 少し考えが甘かったのでしょうか?
そこで、アクリルの散光板とLEDユニットの間には 中間リングの様なものを噛ましているのですが、そのリングの高さを変えて LED光源から乳白色アクリル迄の距離を 若干大きくして試してみることにしました。
この散光源の筐体は 塩ビの排水管の継手を利用したものですので、この中間リングは 排水管そのものという訳です。上の写真の様に 切り込みを入れて遊びをつくり 脱着が容易に出来る様にしてあります。
特に明確な寸法…というか考えが有ったわけでは無いのですが、幾つか用意しておりました。
もちろん focomat Ⅱcなどの普通の引伸機にもオパール電球の位置を調整する機構は備わっています。
スイマセン、この写真では 豚のしっぽの部品が 破損したか正しい処に刺さっていないので、ケーブルがだらしなくなっています。
パーマセルテープは 部屋が散らかっていても その所在がすぐ判る様に たまたま此処に掛けてそのままになっているだけです。
何はともあれ、プリントしてみました。
結果は やはり片側の端が露光不足となってしまいました。それにしても 左右でこんなに差が付きますかね…。
露光不足でない部分は 比較的いい感じに焼けております。
ここで こんな事に触れても仕方無いかも知れませんが、以前ベセラーで ブルーとパープル(近紫外線域)の自作LED散光源で 同じネガをプリントした事が有るのですが、それに比べるとドス黒さ的なものが全く無いので ソチラと比較してしまうと 黒の深さ…と云う点では 少々モノ足りなさを感じる…という事は有ります。
その際だったが憶えていませんが、このネガは以前にもこのBlogで取り上げた事があるのですが、やはり Agガードの析出したのを傷が付くのを恐れて拭かずに残しておいた部分は しっかりとプリントに現れておりました。
先程は そうも思わなかったのですが、てっきり銀粒子の限界が見えないから…と思っていましたが、この部分を見ると 原因は判りませんが チョッとピントが甘い様です。
作業をしているウチに 若干ズレてしまった様です。
自分の場合 手順が多い為 慌ててやると よく間違いを起こすのですが、この日も ベタを追加で焼き付ける際に フィルムの表裏を 間違えてしまいました。
このBlogに揚げたiPhoneの写真では判らないと思いますが、ピンボケしている背後の倉庫の様な建物に 何となく粒状感というかザラザラ感を感じます。
以前 ブルーとパープル(近紫外線域)で プリントした時も この部分が一番 ザワザワした感じになりました。まぁ レンズ特有のボケ味も関係していると思いますが…。
確かに こうやって以前の写真を改めて振り返って見ると、6×6や6×7をカバー出来ればいいや…と割り切って LEDを埋め尽くさなかった部分の陰が 向かって右の方が大きめで 等しくなっていない様な気もするのですが…。
そこで、排水管の中に納まっている LED散光源ユニットを 180°回転させて据えてみました。本日の記事の最初の方の写真と比べていただくと 黄色いピンソケットの位置が 反転しているので 判っていただけるかと思います。
そして、6×7のネガをセットして 焼いてみることに…。
選んだのは Mamiya7の43mmで撮った建築写真。ネガを濃く仕上げてしまっている事も有って テストピースから気が抜けません。
前回の投稿の写真で 最初のもの(一般的な濃度のネガ)は 露光時間8秒、次の濃いめのネガを焼いたものは ほぼ倍の露光時間が掛かりましたので、今回のネガも 8×2=16秒程度が適正ではないか…と思ってテストピースを焼きました。
iPhone上で 写真に簡単にコメントを書き加えられますので、露光秒数を 割振ってみました。
ウーン、視界を遮っている木立の附近を見てみると 15,6秒でも十分な気もしますし、このテストピースでは 入母屋の部分の檜皮葺きの表情を重視していますので 全体の調子(バランス)が 全く把握出来ませんので、明らかな露光不足の部分を生み出してしまう位なら 17,8秒で焼いても良い感じがします。
結局 浅いプリントになってしまう方が怖くて 18秒(1+1+1+…)でストレート焼きしました。
結果はマズマズ…といったところでした。でも、やはりピントは甘くなってしまっている様でした。焼きでは ココまでの結果が出せているので 詰めが甘い…というか 少々もったいない感じがしました。
それにしても、どうしてもiPhoneが勝手に写真を補正してしまいます。実物は 全体的にもっと黒いです。
この定着液に浸った状態で マァマァ程良い濃さなので 水洗後 乾燥させると ちょっと黒いプリントになってしまうと思います。
ネガが濃い事も有って 正直オパール電球で焼いていた頃には 覆い焼きをしないと 見られない感じだったのですが、今はストレートにプリント出来てしまう事に 正直驚いています。
勿論 ベタ焼きと比べれば差はあるのですが(今回はベタ焼きを余白に焼いていませんが…)、オパール電球で その昔 覆い焼きを駆使して焼いていた頃は 少しでも焼き込みすぎるとその部分が気になっていたのですが、今回は 特に引伸しの影響で 階調が詰まったように感じることは有りませんでした。
そう言えば、上の写真を見る限り 6×7は十分カバー出来ている様ですし ネガの(この6×7の1コマの事を云っているのではありません)短辺方向の 露光不足(偏り)も この写真に関しては気になりませんねェ。
サイズの関係で LED散光源をセットする位置が 結構シビアになっているだけなのでしょうか?
ひと頃(夏至の頃)と比べて 日が少し短くなって来ました。 夜明け前に暗室作業をする自分にとっては有難いです。
今朝は 4時頃からプリント作業を始めたのですが、本番プリントを1枚焼き終えると もう薄明が始まっていて 欄間から光が差し込んで来ていました。まぁ、この位なら まだ少々の作業なら カブりませんが 油断は禁物です。
それにしても テストピースといい、この写真といい 変なモノまで逐一写真に撮って揚げるなぁ…と思ってらっしゃいますか?
先日 RICOHFLEXを下さった方もそうおっしゃいましたが 自分が暗室作業をしている事を知ると 普通の人は 「暗がりの中で 像がジワジワ出て来るのが堪らないんじゃありませんか?」とか言うぢゃないですか。
正直云って そんな段階は もう、とうの昔に通り過ぎているのですよ。
モノクロ写真を制作する一番の愉しみは 実体としてあの紙に焼き付けられた プリントに触れる愉しみです。
実のトコロ 定着液に浸っている状態では 未だ素手で触れる訳にはいきませんが、このトロトロの定着液の中にまだ浸っているプリント、そしてそれをピンセットで引き出した時の手に伝わる感触(竹ピンじゃ得られないと思いますが…)、そして引き揚げた後のバライタ紙の質感が何とも云えず 堪らないのです。
だから、そういう事を伝えたい意味もあって 無駄に思える様なシチュエーションでも セッセとアップしているんです。
先日、たまたま アサヒカメラのバックナンバーを漁っていた時に 三好耕三さんの記事(2018年5月号)を読んで腑に落ちたのですが、自分の思っているのは まさにそこで 三好さんが仰られている様な事なのです。
チョッと話がまた変わりますが、例えば先程の 薄明が訪れた写真は 後々 この時期はこの位まで暗室作業が出来るのかぁ…と振り返る 一つの目安にもなります。
私はiPhoneで撮った写真は この様にBlog等で利用してもオリジナルは必ずiPhoneに残しています。常に手許に有るので いつでもその写真の持っている情報を利用出来るのです。便利な世の中になったものです。
←ただ、コレはやり過ぎです。或る意味 気味が悪いです。確かに私は『暗室』というアルバムを設けて 分類していますが…
AIはもうこの写真が 暗室の写真だと解ってしまうのですね…。(もっとも、セーフライトで真っ赤っ赤だから かえって解り易いのかぁ…)
スイマセン、また 話が脱線してしまいました。
チョッと片付けるのに時間が掛かりそうなので スグにとはいかないのですが、べセラーの方でも試してみたくなって来ました…。
続きは、近いうちに また…。
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