2025年12月16日火曜日

2025.11.01. つれづれ

  2025.11.01. つれづれ


 9月中旬以来の長期に渡るロード(出張)が続いている。

とは云っても 週末には自宅に戻って来ているのだが…

 そこで 週末の朝のみ 引き続き 照明の設定を変えずに 同じ比率のまま 四切りのバライタ紙に 日にして1、2枚のペースでプリントしている。


 そして つい先日 ふと、その週末を利用して スマホの機種変更をしようと思いたった。
























 ↑ 機種変更前の機種である iPhone 12 Pro Max。実を云うと 購入から僅か3ヶ月あまりで ズボンの後ろのポケットに入れていた時に転倒して尻餅をついて 背面のガラスを割ってしまい そのまま使い続けていました。その後ケースに収まってはいましたが 定着中のプリントを撮影していて この状態のまま 定着液の中に落としたり…。 

 その背後に写っているのは その前に使っていた iPhone 7plus。今は 携帯音楽プレーヤーと化しています。


 以前(かれこれ10年近く前まで)は 2年に1度は iPhoneの機種変更をしていたのだが、そのスペックに 徐々に不満を感じなくなってきて ここの処は 4、5年に一度の交換頻度になっていた。








  ↑ 当Blogにおいて iPhone 17 Pro Maxによる はじめてのカット。相変わらず こんな状態のままプリントしています。


 Arduinoは 照明ユニットごとランプハウスの中に入っていますので 電源コードの分 蓋が半開きになっています。この位なら カブらずに 支障無くプリント出来ています。

 当然ネガキャリアのダブルガラスの断面からも 同様にブルーグリーンの光が漏れています。


 この度は iPhone 12 Pro Maxから ほぼ5年振りの機種変更。前のiPhone 12Pro Maxは 超広角のカメラが固定焦点だったのと マクロ的な撮影をしようとしても寄れず 殆どダメダメだったので 今回の17 Pro Maxに期待していたのですが、超広角にフォーカス機能が 付いたものの それによってのマクロ性能の向上は それ程 差を生み出している感じでも有りませんでした。チョッと残念…。






























 ↑ もう何世代も前からですが、iPhoneのデータ移行も 隣合わせに置いて Bluetoothで通信させるだけなので 非常に楽になりました。

 実は、左のiPhone 12 Pro Maxとの大きさの違いは殆ど有りません。撮影位置からの距離の違いです


 以前はiPhoneを買う時には 事前によくネットや雑誌の記事を見て グレードの比較検討をしていましたが、何機種か前から 何も考えずにその時点での 最高性能の機種を購入する様にしていたのですが、今回 そうした下調べはしていなかったので 前回の512ギガの倍の容量の1テラのモノを買う事に…(ココまで機種変ごとに いつも倍、倍の容量で来ていたので…)

 ところが 機種変更を頼んでから ふとした事からストレージ容量が 2テラまで有る事を知りました。自分の今回の機種変は 512ギガの容量が一杯になってしまった事が一番の要因でしたので 知った時はチョッとショックでした。

 その後 写真を撮り始めたのですが、カメラの画素数が上がっている関係から 1枚当たりの容量も当然大きくなっていましたので…この分だと またこの先5年位は使うつもりでいるのですが、全然持たないかも知れません。










  こちらのモノクロプリントの方も 一枚当たり倍近くのコストになってしまうのに 相変わらず四つ切サイズでプリントしているのも お盆にセットしてから 引伸しサイズの変更をするのが面倒だから…

 でも、最近はこのサイズのプリントを見慣れてしまい 逆に 8×10のプリントが随分小さく感じる様になって来ました。

 やっぱり 8×10でプルーフプリントを作成して サイズアップするより いきなり四つ切から始めた方が 気持ちがいいんですよね。

 そして何故かこのサイズになると 節約してレジンコート紙で焼こうとは思わないんですよね…(8×10は もっぱらRC紙なのに…)プリントのモノとしての重みが心地良いと云うか…。出来上がりを渡される方は 大きすぎて面喰らうと思いますが…

 上の写真。全体的な収まりは勿論ですが、腕の角度というか 手の仕草というか そういったモノにも随分 写真の持つイメージは 影響されるなァ…と考えさせられました。

 尤も、撮る時は 無我夢中なので そんな部分に気を配っている 余裕は無いんですが…。

 昔から こうやって その時の気分で 四つ切サイズと8×10の時期を 度々行き来してきたのですが、この分だと 今ある手持ちの 四つ切サイズを使い切るまで 今の状態が続きそうです。







2025年12月2日火曜日

2025.11.25. つれづれ

  2025.11.25. つれづれ



 年の瀬が近付き またバライタペーパーが いよいよ残り僅かになって来た。
























 プリント作業も ペーパーの在庫に余裕が無くなって来ると 平常心で出来なくなってしまう。

 いつもより余計に 失敗するまいと思って それがプレッシャーになってしまうから…

 バライタ紙、テストピース分(0.5枚)を除いて 残り3枚…。


 テストピースは 通常 11×14の紙を 4つに裁断して使用している。



 2025.11.29. 土曜日の朝



























 

 相変わらず BlueとGreenの比率は変えずに 過去にプリントしたモノの中から ネガが濃いのにコントラストのないモノを選んでプリントしている。

 此の処 テストピースの中に良い感じで焼けている部分があって その露光時間で本番プリントの焼付けをすると 今迄の経験則から ドライダウンで濃くなる分を差し引いて露光するのだが、それにしても 最終的に思ったよりも濃くなってしまって なかなか思った通りの濃度に仕上がらずに困っている。

 通常 テストピースの方が 紙片が小さいので 現像液中でピンセットで摘んで 絶えず激しく撹拌するが、逆に本番プリントは バットの中で 前後に揺する余裕がないので 仕方無くバットを指で摘んで傾けて 現像液を寄せては返す波の様にして 紙も一緒になって揺れるのに任せるのだが、何故か 攪拌が緩やかと思われる コチラの本番プリントの方が 濃度が濃くなってしまうのだ。

 今の処 全く原因が分からないが ここでは此の状況に慣れるしかないのだろうか?




 2025.11.30.    11月最後の日曜日の朝…



 最後に何をプリントするか少しばかり悩んだが、シャープにしかも良い光の時に撮れている 例の御仁の写真をプリントする事に…但し ネガは通常の濃度範囲だが コントラストはそれなりに有る…。此の 照明の設定のままでは 硬調になり過ぎないか若干の不安は有るが 夜明け迄 あと1時間…あまりネガの選択に戸惑っている余裕も無いので 取り敢えず始める事にした。

 あと テストピースを除いて残り2枚…でも テストピース分の紙片も残り1枚しか無いので 最初から気が抜けません。





























 ↑ まずはテストピース。ここの処 照明を同じ条件で焼いているので イーゼルに照らされたネガ像を見て おおよそに当たりを付けて 16.25secから+1.25secステップで焼いていったのだが、25.00secではもう長過ぎる気がして 最後の2つは最初の16.25secから逆に減算していった。

 どうやら 20秒辺りで良いと踏んで ドライダウン分を差し引いて 18.50秒のベース露光 両脇を少しサッサッっと焼き込んだ

 こうして出来た 最初の1枚目の本番プリントは 取り敢えず人物の部分の露光時間しか考えずに 後は あてズっぽうで 周辺を焼き込んだのだが、そもそものベース露光が少なかった。(失礼ながら このプリントは結果写真無し…)





























 ↑ 本番プリントを焼く際には こうやってテストピースを傍に置きます。そして 観察現像で絶えず両者を見比べるのですが、現像液が疲労してくると少しづつ褐色を帯びてくるので プリントが現像液の底に沈んだママだと 実際の濃度より濃い目に見誤る原因となってしまいます。

 今回は 最後の2枚なので 悔いを残さぬ様に 現像液もフレッシュなモノにしようか悩んだのですが、ネガに対して 自作のLED照明が硬調傾向である事が明白でしたので 敢えてそのままシーズニングされた現像液でプリントする事にしました。





























 ↑ 上の写真は それを踏まえて修正した 2枚目の本番プリント。奇しくも 此のプリントが 在庫の四ツ切りバライタ紙の最後の50枚目になりました。(2-50とは 2025年 50枚入り2箱目の50枚目という意味です)

 ベース露光 21.25秒。1枚目よりは周辺を焼込みました。それでも若干 左右の焼込みが足りない気もするが、許容範囲とさせて下さい。どうせ もう 紙も無いし…。

 右の車 確か白い車では無かったと思いますが、ほとんどトーンが出ていません。やはり そもそも LED照明のグレードが 少しマッチしていないのかも。(アッ、僕 撮影時にシャープカットフィルターとか 一切使わないので… 引伸しレンズの前に多諧調フィルターかますと像が甘くなる…と言ってる人間が そういうモノを使うのは 矛盾してるでしょ。その辺の事は 他の人に任せますよぉ…)






























 2枚目を焼き終えた処で 6時10分。

 ココから 水洗作業になります。そんなに枚数が無いので 上手くいったモノから優先して 水洗していきます。

 正直言って あんまり沢山焼いても どの道 今の自分の環境では 一度に何枚もの紙を並べて水洗する余裕が無いんです。

 アーカイバルウォッシャーとか欲しいんですけど この朝日を浴びて 個々のバットに沈められたプリントを見つめながら 時に流水・置換水洗を織り交ぜて  作業をしていくのも 何とも言えない至福の時間です。

 ロボットじゃないからねェ… そう言った時に 大量の失敗プリント(しかも試行錯誤して同じコマ)とかだと 見ていて絶えられなくなります。

 鬼海弘雄さんが スポッティング作業中に見続けて その時間に耐えられないものは 外されていく…という様なことを仰っていましたが、確かに この水洗時間に 見飽きてしまうようなモノは 残るプリントではありません。

 上の写真のバット 左はLionのポリバット、右はパターソンのバットです。勿論 モノとしてはパターソンの方が 頑丈に出来ていますが、コレばかりは一長一短で 使い勝手は今の処 自分には優劣つけられそうもありません。

 昔は Lionのポリバットも安かったのですが、それなりの値段になってしまいました。今は Silversaltさんが パターソンのバットを比較的リーズナブルな値段で扱って下さっていますので 助かっております。






































 普段は メモ帳に露光データを 簡単に書き取っておくのですが こちらも丁度 書く場所が一杯になって 無くなってしまって…

 でも、Blogの記事にするのに忘れてしまうかも知れない…と思って 一応ザっと書き取って残しておく事にしました。

 こういう時 iPhoneで写真を撮っておくと便利です。この紙自体が無くなっても 撮った時系列順に保管してくれるから…

 上のメモですが、何だろう 瞬時の動作による焼込みって サッサッとしか表現のしようが無いんですよね。

 そういう意味では そもそもの露光時間が長い方が 焼込みはやり易くなります。サッサッではなく 何秒かの動作になって マスクの紙を止めている時間が出来るから。

 サッサッといい加減な表記をするのも そもそもその再現性にもバラつきがあるのが分かっているから…

 もっと言えば 自分は何台かの引伸機と いくつかの照明を組み合わせて使っていて、現像液のコンディションも 日に日に変わっていくので あまり 厳密にメモを取ろうとしても その初期設定を書き出すだけで 結構面倒臭いから…

 せめてiPhoneで沢山の状況写真を撮っておくのもその為です。






























 ↑ 実は年末に向けて 色々と企マカン砂漠です。






2025年11月25日火曜日

2025.08.13. つれづれ

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  ※ お盆明けから二週間程はのんびりしていたのだが、仕事の方が忙しくなって Blogの方の更新が ままならなくなって来た。(休日は休日で やりたい事だらけだ)おまけに 9月中旬からは長期のロード(出張)に出ている。もっと早く お盆明けスグに 記事として纏めれば良かったのだが…。(生来 過去を振り返って日記を書いたりするのは 億劫で苦手な性格である)

  以下、中途までは先月に記述を終えていたのだが、そこから先は あまり細かい事は 思い出せなくなってしまった。元々、逐一メモをとったりする様な性分でも無いので 半分位は うろ覚えの内容である。その点は ご容赦願いたい。(2025.10.30. 出張先にて記す)

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 2025.08.13. つれづれ

  ライカこそ散光源で引伸ばさねばならぬ。⑫

  ローライも散光源で引伸ばさねばならぬ。⑤

  ― BlueとGreenの光の比率を変えてプリントしてみる ― 



 お盆休み最初の3連休が終わった。

 最初の3連休…と云っても 今年はその後も休みが続いて めずらしく9連休なのだが…

 ここのところ(お盆休み中)毎朝 1・2枚、時間にして1時間半から2時間 プリント作業をしています。






↑ ローライで撮ったネガを大四切に焼く際に 余白が勿体無いので
当該ネガのベタを 脇に焼き加えているところ。残りの部分はマスクされています。
前は バライタ紙を 鋏で正方形に裁断していた事も有るのですが どうも切っていて
気分が悪いので いつの頃からか 今のスタイルになりました。

そうは云っても テストピースを焼く紙は 四ツ切を ためらいもなく 4つに切った短冊ですが…










   

   当たり前ですが、このベタの露光時間は 引伸した像の焼付け時間とは異なります。

 実はその比率は 引伸機の種類、機種、光源によっても異なっていて 今使っているfocomat Ⅱcですとオパール電球で焼いた時は ベタの露光時間は 引伸しの時の2/3位の時間だったのですが、今回の自作LED散光源を使用すると 同じコンデンサーレンズを通した条件でも こちらは引伸し時の 4/3から8割程度の時間が掛かります。

  コレ迄の言い方は 本来の前後(後先)とは逆になっていて チョッと誤解を招く様な言い方なのでココで言い換えると、引伸しの際の露光時間は オパール電球の時は ベタの凡そ1.5倍位の時間が掛かるが、それを今回の自作LED散光源に置き換えると、4/3倍か1.25倍で焼ける…という事です。

 光源の種類が違うので、同じ集散光式でも 若干 キャリエ効果に依る影響が減るという事だと思います。

 オパール電球の時に比べれば 極端なコントラストのネガでなければ ストレートにプリントしても そこそこ普通に焼けてしまう…というのも頷けます。

 ちなみに べセラーで コンデンサーレンズを外した 完全な散光式の状態でプリントしてみると、その差は 更に縮まっていきます。(不思議なのは 眠いのに 現像過多で 濃くなってしまったネガを 近紫外線域のLEDのみを用いて 硬調に焼こうとした際に その関係が逆転してしまった事が有りました。)

 だから、ベタ焼きが たいがいストレートに露光を掛けても焼ける様に べセラーで冷光源を使った散光式で焼いた方が 覆い焼き等を駆使せずとも そのままストレートに焼いても イイ感じにプリントが出来ると思います。 後は 作画意図と言うか 各人が其処から 見せたい部分の周辺を焼き込んだり それ以上暗くならない様に 覆い焼きしたりすれば良いのだと思います。また ガツンとくる様なプリントを得たければ オパール電球を使った集散光式のプリントに戻れば良いのです。

 今回の自作LED散光源と言い、余白にベタを焼いたり 他人から見れば 余計な遊びをしている様に見えるかも知れませんが、色々人とは違う事をやっているウチに そんな遊びから派生した事柄にも 色々気付かされる事は多いのです。

 一台の引伸機しか 使って来なかった様な人は ひょっとしたら「キャリエ効果」という言葉にすら出逢った事が無いのではないでしょうか。



























 またRICOHFLEXで撮ったネガの 先日とは別のコマを引伸しました。自分の持っているRolleiflexとほぼ同じ製造時期の個体と思われますが、ネガは さらにコントラストが無く 開放絞りでは 周辺部の写りもかなり甘いです。

 それでも カメラを下さったその人に 実際にどんな風に写るのか早く見せたくて 偶々フィルムを切らせていたので サマージャンボを買いに外に出たついでに近くのカメラ屋さんに行ったのですが、そこには DELTA 100やFP4+が置いて無くて 仕方無くHP5を買って帰ったのですが、早速撮影を済ませたものの コレまた現像液も いつも使っているモノは切らせていていたので 仕方無く Rodinalと同等品と見做しても良いと思われますが、もう1年半近くも前に ヨドの店頭で偶然目にして購入した SILVERCHROMEのSELONAL(希釈は1:49)で現像致しました。

 先日の投稿で 拡大したネガ像をピークルーペを覗いても この程度の引伸し倍率では 粒状が見えない…と言いましたが、コチラは プリントにハッキリと粒子の粒立ちが出ておりました。

 もしかすると、(この辺は 全く比較できていないのに 感覚や推論で ふと思い付いたようにいいますが…)自作LED照明で焼くと 通常より銀粒子の粒立ちが 鋭く表現されるのかも知れません。まぁ、自作LED照明は 思いっきり散光源ですので、そこからコンデンサーレンズを通しているとはいえ チョッと矛盾した感じになってしまいますが…

 実を云うと あまり自分は Rodinalは好みでは有りません。まぁ、亜硫酸ナトリウムが大量に溶けた現像液で処理したフィルムを さらに大きく伸ばしていった時に 粒子がボロボロになっていて 大伸ばしした時に 千代紙のちぎり絵みたいになっているのも チョッと嫌ですが…。




























 ↑ こちらはMamiya7の65mmで撮影したカット。 フィルムは  ILFORDのFP4+、フィルムの現像液は Silversaltさんで購入した SUPRのHRXです。非常にいい感じです。このプリントでは粒状は判りません。ただ 粒状とは関係有りませんが、普段 Rolleiflexの柔らかい(甘い?)描写を見慣れてしまっているので、スッキリしていますが、どうしてもパキパキな画に見えてしまいます。(この写真、iPhoneで撮っているので 実際のプリントよりコントラストがついています。実際はもう少し暗めで チョッとどんよりしています。)

 実を云うと、FP4+は ヨドで購入しているのですが、そこのレビューで SUPRのHRXで処理すると 良い結果だったと書かれていて 自分も試してみました。結果は上々です。
 ただ、FP4+にSUPRのHRXでは DELTA100にSilversalt現像液よりも 結果的に 高くついてしまいます。
 まァ、そもそもフィルムや現像液は 各人の好みやその時の気分であったり、撮影対象でによって使い分ければ良いかと…。
 また、自分の様に 色々なフィルムを色々な現像液で処理して 日々プリントしている様な人間でないと 明確な違いは感じにくいと思います。

 でも、興味が有ったら ぜひ一度試してみる事をお薦めします。

 自分がモノクロ現像を始めてから 程なくして KODAKのPLUS-Xが無くなり、135では何本か撮影したのですが、120は 結局使うことが無いまま 廃番になってしまいました。(今思うと、120のPLUS-Xは その頃にはもう無かったのかも…)近頃、その135で撮ったコマを伸ばしたのですが、自分が思っていたよりも細かな写りだったので、現在の自分がPLUS-Xの120で撮って伸ばしたらどうだっただろう…と思うと残念な気持ちになります。

 感覚的な云い方になってしまいますが、その頃は DELTA100やTMAX100の様な シルキーな描写に夢中になっていました。
 今 色々なネガを振り返って焼いてみると PLUS-XやTRI-Xでも 時折 写りの細かさに ハッとさせられる事が有ります。


 2025.08.14.


 そしてまた 次の日も過去に撮った 別なネガを 同じ条件で 引伸ばしました。


























 ↑ Rolleiflex 2.8C Xenotarで撮影したカット。 フィルムは  ILFORDのPANF+、このフィルムの現像液も 前述のSILVERCHROMEのSELONAL(1:49)ですが、元々のフィルムの素性が良いのか 絹の様に滑らかです。このプリントでは粒状は判りません。液の色で判りますが 定着液がダイブ疲労している様です。

 その時の光線状態も影響していますが、このネガの濃度は 自分にしては それ程濃くなっていませんが、非常にネムいです。

結局、この日は このネガをそのまま仕上げましたが、画がのっぺりしていてコントラストが無いので この様な 部分だけを焼いたテストピースではなかなか 全体の適正濃度が判らず チョッと薄い墨絵のようなプリントになってしまいました。

























 ↑ 何度も繰り返しますが、自分のBlogに掲載している写真は全てiPhoneで撮影しているので、勝手に補正されて 実際のプリントよりコントラストがついています。実際はもっとコントラストの無い写真です。もう少し iPhone内で調整して より実物に近付ければ…とも思うのですが…


 2025.08.15.


 そのまた次の日… この日はネガの具合と 照明のグレードが うまくマッチして イイ感じに焼けました。
 この写真を撮影したのは夕方… 季節は判りませんが、日中の日差しの強い時間帯で無ければ この位 日が当たっていた方が ネガに適度なコントラストが付いて 普通に焼けるようです。

 (撮影される方は チョッと眩しそうでしたが…)



























 ↑ この日、どうやら定着液を新しくしたようです。透明でトロトロして 光輝いています。




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                  ↓ ここからは 出張先での うろ憶えでの記述になります。

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 2025.08.16.


 長いお盆休みも ついに残り3日、ただ 昨日迄と同じコマで挑むのでは 飽きてしまうかも知れないので、まずは Rolleiで撮った これまたネムいのに濃度が濃い別のネガを 今迄と同じBlueとGreenの混合比のまま伸ばしてみました。丁度 少し前に撮り終えて 昨日の朝フィルムを現像したばかりのものです。





 ↑ やっぱりチョッとコントラストが足りません。


  でも、実を云うと この日は遅く目覚めてしまって この一枚目のプリントを仕上げたのが 5時30分… 夏至を過ぎて あとチョッとで2ヶ月、少しづつ日が長くなって来ているとはいえ もうコレが限界でした。








 この写真を撮った時(自宅でこのテストピースをプリントした時)の事を あまり良く憶えていないのだけれど、上が その日の始めにプリントしたテストピース、だが 人物の顔にピントが来ていないか ブレていたため諦めて 同じ時に撮ったそれとは別なコマをプリントしたモノが下のテストピース。(…だったと思う)

 自分の場合 テストピースも まず全面に画を焼き付けて そこから段々と焼きを重ねて行くのではなく それぞれ別々に焼き付けるので、通常の人より テストピースを作るだけで結構時間が掛かってしまうんですよねぇ…

 特に人物の写真を伸ばす時は その人の顔の部分を重視して 最適になる焼き付け時間を探ろうとするから。

 逆に そのほかの部分は この段階では あまり考えていません。 今の自分は 昔と違って 極端に背景を焼き込んだりはしません。特に あんまりスグそれと分かってしまう様な 極端な焼き込みや 背景は十分に出ているがそもそも黒すぎるプリントには見ていて嫌悪感すら覚えます。

 
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 2025.08.17.


 まぁ それにしても こうコントラストの無い写真ばかり量産し続けても仕方が無いので、 次の日 意を決して BlueとGreenの光の混合率を変えてプリントしてみる事にしました。




















 


 ↑  この自作のLED照明は 各色半分づつが ひと括りの回路になっているので、試しに下半分は今までのまま、上半分はblueの比率を上げて 点灯してみたところ。色味が変わるのは勿論ですが 緑が減ると その分 青を増やしても暗く感じます。

























↑  まだ自分の工作がLED本体の部分しか出来ていないので、照明の色合い(R,G,Bの比率)を変えるには いちいちArduinoをPCと接続して プログラムを書き換えなければならない…。もっとも、プログラム自体は この様なプログラムとも言えない様な 他愛もない代物ですが…

 
 ここでは、Greenを40%、Blueを99%にしている。(もっともLED照明工作時に LEDの部品やその電流制限抵抗を任意に設定しているので あくまでこの照明において 各色を光らせた時の 40%、99%だが…)


 早速 昨日と同じネガをその状態でプリントしてみました。






↑ 定着液が 透明ではないですが、僅か数枚のプリントでそうなってしまったのではありません。
定着液を新しくしてから数枚は 古いものの隣に新しい定着液をおいて2浴定着にしています。
これはその古い定着液での 1浴目が終わった処…のようです。
























 


 一応 少しコントラストが上がったようですが、劇的変化とはいきませんでした。

 でも、このネガに関しては この位でも良いのかも知れません。

 この日も このプリント1枚を仕上げただけで 終わってしまいました。

 どうしても 120で1巻撮ると 場合によっては こういう光のまわった曇りの日と 一方で晴れの日が混在していて 自分の場合は 曇りの日に関しては 過露光 過現像になっている事が多いのですが、特にこういうクラシックカメラで撮った過現像になっているネガは BlueのLEDの光をもってしても なかなか救済が難しいようです。





























 ↑ 日中 プリントが乾燥したので 前日のプリントと 並べてみました。人物や車に関しては コントラストが付いたおかげで スッキリ モヤのとれたような描写になっていると 思います。

 1枚目(上)では 露光ムラが無いのですが、Arduinoの設定を変えて LED照明を据え直した時に ポジションが悪かったのか  2枚目(下)では 左側がかなり露光不足になっています。

 露光不足になっているとは云え その左の黒縁は ハッキリ出ているので 結構プリント自体には露光時間を掛けているのが分かりますが…。



 2025.08.18.


 長かったお盆休みも ついに最終日、もっと色々比較検証してみるつもりでしたが、アッというまに 終わりが迫っていました。


 最終日は 一昨日、昨日伸ばしたコマと同じロールの中の 別な日に撮った写真を伸ばしました。8月に入って 3時過ぎにとったもの。ネガは昨日迄のネガ程濃くは無く 程良くコントラストが付いていました。








 プリントも丁度いい感じに仕上がりました。

 ただ、夏とはいえ やけに人の肌が黒く写っている様な気がします。顔はそうでも無いのですが、手が真っ黒いです。

 そういえば 昨日迄の写真も コントラストの無いプリントの方は 昔の武士を写した写真の様でした。

  実は フィルムは Rollei Ortho 25を使っているのですが、現像液は 何が適当か分からなかったので これまた1年半以上前に購入してストックされていたSILVERCHROMEのSELONAL(1:49)を使用しました。最近 怠け気味で その時のメモもとっておらず おそらくRodinalの現像データを参考にしたと思いますが、20℃で何分現像したか 攪拌をどの程度したか忘れてしまいました。

 確かに解像感は優れていると思うのですが、粒状は期待していた程では無かったのでチョッとがっかりしました。お金が掛かるので 良い 現像液を都度都度買うわけにもいかないのですが、もっと適切なモノが有ったのかも知れません。

 記事の上の方でのPANF+ も同じSILVERCHROMEのSELONAL(1:49)を使っていて こちらは非常に滑かだったのですが、何しろ 両者の間には一年以上の開きが有ります。でもこのタイプの現像液って 巷では2、3年は全く問題無いと言われていた気がするのですが、コチラもそれ故に 何か有った時のセカンドオピニオンとして用意していたのですが…

 高希釈タイプは 液温の調整も容易く扱いやすいのですが、この先 こういう事が続くと チョッとその方針を見直さねばなりません。

 かと言って このところ フィルムも高くなりましたので 遠出するのでもなければ ホイホイ使う訳にもいかず 良い現像液を買っても いい状態でいる内に使い切るのが 非常に難しくなって来ました。

 その為に フィルムをある程度撮り溜めておくのも 待てない性格なので 出来そうもありませんし…


 実は 8月15日に伸ばした写真も ILFORDのORTHO PLUSを使っているのですが、そちらは 人の肌の色に関してはそれ程でもありませんでした。

 こちらは SUPRのHRXで現像しているのですが かなり微粒子に仕上がっていました。


 ………ここ迄書いてきて またこの記事の上に書いた事と同じ様に思ったのですが、focomatⅡcのコンデンサーとこの自作LED照明の組み合わせは 比較的 粒状がハッキリ出るのかも知れません。 ちなみに DURST L1200をコンデンサーをつけた状態(集散光式)で使わない(このBlogの記事に出て来ない)のも 同じ白熱電球を使って焼いたとしても focomatやベセラーのそれよりも 粒状がハッキリ出て 自分好みでは無いからです。

 この分だと それらの差に興味は有るとしても その検証するのは正月休みになってしまいそうですが、また 時間のある時に色々試してみたいと思います。



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 この処 カエルが棲みついているのか、メダカのタライに 毎年オタマジャクシがすごいのですが、この夏休み中にカエルになっているのを見つけました。

































2025年8月11日月曜日

2025. 08. 10. つれづれ

  2025.08.10. つれづれ

  ライカこそ散光源で引伸ばさねばならぬ。⑪

  ローライも散光源で引伸ばさねばならぬ。④

  ― 6×7サイズまでをカバーするLEDの散光源に改良を加えてプリントしてみる ― 
























 

 連休が始まって2日目の朝。






























 まずは 8月9日 土曜日のお盆連休初日から…。この日の朝は 暗室作業は何もせず…。しかし、前日 金曜日の晩から自作散光源の基板上の LEDの増設をしていて その作業は日中に出来上がった。

 ↑ 上の写真でいくと 右側のトランジスタの付いた方は もう余地が無いので それとは反対側に もう1ライン増設している。コレを、チョット偏心させて 排水管の中に据えれば もう 片側光量不足には悩ませられない筈なのだ。

 ただ、この増設というのが 口で云うのは訳無いが、もう出来上がった脇に更に足していくので 配線はグチャグチャで結構難儀した。今月の頭にメガネを5、6年振りに新しくして 今回初めて遠近両用眼鏡にしたのだけれど、ハンダ付けの際はその老眼鏡モードも何の役にも立たず。(通勤電車の中で スマートフォンの画面を見るのには役立っている。)

 結局、相変わらず鼻眼鏡にして下にズラすか メガネを外して裸眼の状態で細かい作業に挑んでいる。






























 別にそのまま使えば良かったのだが、時間が有ったのと 9連休の初日で ココロに余裕が有った事もあり、今後の事も考えて 2階建てにする事に…

 取り敢えず簡単なやり方でArduinoの上に増設するシールドの様な物を拵えました。勿論、随時 取り外し可能です。

 やがては、MOSFETとリレーで1色につき1系統の回路で駆動出来る様に 改修予定ですが…(現在は LEDをドライブさせる電流も Arduino経由で貰っているので 総量は勿論の事、トランジスタ一個当たりの 電流を抑える為に RGBの各チャンネルを 2PINづつ 合計6PINに割り振って 尚且つ3.3Vで ドライブしています。)お盆休みは 取敢えずコレで色々プリントしてみようと思います。





























 ↑ コレは 作っている途中の写真。結構 いい加減な人間なので 最初に 円型の基板を切り採った際の 残りの端切れを利用しています。排水管の中に収まる様に アウトラインを 下のLED基板に合わせて 切り揃えていますが、それでさえ ニッパーを爪切りの様にして 大雑把にカットする始末…。





























 ↑ こんな具合に収まっています。

 でも、作った本人からすると 2階建てにした一番の効能は 上屋にした逆rの形状の基板やら ソコに取り憑いた 頑固なソケットやらで 摘み易くて 排水管の中に落とし込んで 細かな位置決めをするのが格段に やり易くなった事です。


 そして、8月10日 早朝プリント作業をしてみました。


 まずは ピントの調整から…。前回 ピントが合っていないのが分かっていながら 何故作業を続けたのかと云うと 時間的にも精神的にも その余裕が無かったから。

 前回の様に1秒点いては消え…1秒点いては消え…では 落ち着いて ピントを調整出来る訳が有りません。

 今回は、前回の結果を踏まえて 実質の露光時間が30秒を上回る事は無いと考え、30秒点いては消え…30秒点いては消え…に変更しました。勿論、引伸しタイマーに繋いでいますので それ以下の任意の時間にセットして点灯させる事が出来ます。
































  スイマセン、前回と同じネガです。

 でも、この写真 非常にピントがイイんです。幾つ位まで絞って撮影したか判りませんが、結構 アチコチにピントがいっています。今回は 画面中央付近の庇の下 建具の付いていない部分の長押を見てピントを合わせました。

 撮影時に ピントを合わせた箇所では無いのですが、ピークルーペを見ながら Vエルマーの収まったリングを廻すと ココだな…と思える箇所が有りました。

 正直云って 幾らピークルーペを覗いても この程度の引伸し倍率じゃ 粒子の一つ一つなど判りませんから…。自分でオートフォーカス式のカメラの様に 行き過ぎたり戻ったりを繰り返して 引伸しの暗い像のコントラストのピークを掴むのって 結構 気力を使います。

 自分で意識してやっている訳じゃ無いんですが、そのピークルーペを覗いてる時って 矢を射る時か何かの様に 何故か息を止めてるんですョ。だから 山が掴み難い時は 呼吸の為に 一旦ピークルーペから顔を離します。

 

























 ↑ 今回のテストピース。

 左側から 10秒、11秒、…と1秒刻みのステップ。チョッと全体的に 露光不足気味になってしまいました。

 一番右端は 21秒なのですが、過去にこのネガを焼いた経験から 最低でも向拝(21秒の部分に写っているのが向拝とその背後の木立です)がしっかり出る位に焼かないと 明るい部分に関しては 濃度不足になってしまうのが分かっていましたので、本来は もう一枚テストピースを焼いて 慎重に判断すべきなのですが、夜明けが迫っていた事もあり 21秒で ブッツケ本番プリントを焼いて見る事にしました。






























 結果は マズマズでした。何より 前回もそうでしたが、全く覆い焼き等をせずにストレートな露光でここまでのプリントが出来てしまう事に 正直驚いています。

 ピントは今回はバッチリ合っているのですが、その分 細かい部分を見ていると 解像しているので 若干ボケていたプリントと比べると 一見 硬くコントラストの有る描写に感じます。
































 この写真 おそらく夏の盛りに撮っていますが、薄曇りであったため 庇の深いこういった建築にとっては撮影日和でした。 青空は望めませんが 時折柔らかい陽が差して ちょうど叉首の束のところに 薄っすら懸魚の影が浮かんだタイミングを狙ってシャッターを切った記憶があります。

 ピントはちょうどその懸魚の辺りに合わせています。


























 日は変わって 8月11日、今度は ローライで撮った人物写真を伸ばしました。

 近頃は ただひたすら建築の写真だけを伸ばし続ける事が出来ません。どうしても建築写真を伸ばした後は 人の表情が映った プリントが恋しくなります。

 こちらも なかなかイイ感じに仕上がりました。やはり 露光ムラも無く大丈夫みたいです。

 こちらはオンボロローライという事もあり、元々のネガにコントラストがない為か(撮影時間も夕方の日陰だったし…)プリントにもあまりコントラストがない為 手持ち撮影にしては良く写っていますが、前日の写真と比べるとシャープというよりも 非常に細かな写り…と云ったトコロです。細か過ぎて 我が目をもって凝視してみても限界が見えません。

 何だか それならもっと大きなサイズに伸ばしてみたい…という気持ちと いよいよ自作散光源のBlueとGreenの比率を変えて 号数を上げてプリントしてみたくなったのでした。




 水洗していると 久しぶりの雨…こんなにまとまった雨はどの位振りだろうか… その雨音と 水洗バットに水の落ちるチョロチョロという音が重なって 何だか心地良い。久しぶりに呼び戻された感覚…だったのだが、雨はその後 激しくなり その交錯した音も 掻き消されてしまった…。



2025年8月4日月曜日

2025.08.01. つれづれ

  2025.08.01. つれづれ

  ライカこそ散光源で引伸ばさねばならぬ。⑩

  ローライも散光源で引伸ばさねばならぬ。③

  ― 6×7サイズまでをカバーするLEDの散光源で引き続きプリントしてみる ― 


 8月になった。


























 ツバメが群れて飛ぶようになった。もう 南の方へ旅立つ日も近いのだろうか? 例年だと お盆の少し前辺りだろうか?


























 前回のプリントでは 上の写真の様な感じに focomat Ⅱcのコンデンサーレンズの上に 自作LED散光源を据えて プリントしてみたのですが、6×6のコマの内、片側が露光不足に見舞われる…という事態に…。

 製作時には この位なら多少余裕が有ると思っていたのですが… 少し考えが甘かったのでしょうか?



























 そこで、アクリルの散光板とLEDユニットの間には 中間リングの様なものを噛ましているのですが、そのリングの高さを変えて LED光源から乳白色アクリル迄の距離を 若干大きくして試してみることにしました。

 この散光源の筐体は 塩ビの排水管の継手を利用したものですので、この中間リングは 排水管そのものという訳です。上の写真の様に 切り込みを入れて遊びをつくり 脱着が容易に出来る様にしてあります。

 特に明確な寸法…というか考えが有ったわけでは無いのですが、幾つか用意しておりました。


























 
 もちろん focomat Ⅱcなどの普通の引伸機にもオパール電球の位置を調整する機構は備わっています。

 スイマセン、この写真では 豚のしっぽの部品が 破損したか正しい処に刺さっていないので、ケーブルがだらしなくなっています。

 パーマセルテープは 部屋が散らかっていても その所在がすぐ判る様に たまたま此処に掛けてそのままになっているだけです。

 何はともあれ、プリントしてみました。




























 結果は やはり片側の端が露光不足となってしまいました。それにしても 左右でこんなに差が付きますかね…。

 露光不足でない部分は 比較的いい感じに焼けております。

 ここで こんな事に触れても仕方無いかも知れませんが、以前ベセラーで ブルーとパープル(近紫外線域)の自作LED散光源で 同じネガをプリントした事が有るのですが、それに比べるとドス黒さ的なものが全く無いので ソチラと比較してしまうと 黒の深さ…と云う点では 少々モノ足りなさを感じる…という事は有ります。



























 その際だったが憶えていませんが、このネガは以前にもこのBlogで取り上げた事があるのですが、やはり Agガードの析出したのを傷が付くのを恐れて拭かずに残しておいた部分は しっかりとプリントに現れておりました。

 先程は そうも思わなかったのですが、てっきり銀粒子の限界が見えないから…と思っていましたが、この部分を見ると 原因は判りませんが チョッとピントが甘い様です。

 作業をしているウチに 若干ズレてしまった様です。



























 

 自分の場合 手順が多い為 慌ててやると よく間違いを起こすのですが、この日も ベタを追加で焼き付ける際に フィルムの表裏を 間違えてしまいました。

 このBlogに揚げたiPhoneの写真では判らないと思いますが、ピンボケしている背後の倉庫の様な建物に 何となく粒状感というかザラザラ感を感じます。

 以前 ブルーとパープル(近紫外線域)で プリントした時も この部分が一番 ザワザワした感じになりました。まぁ レンズ特有のボケ味も関係していると思いますが…。

 



























 確かに こうやって以前の写真を改めて振り返って見ると、6×6や6×7をカバー出来ればいいや…と割り切って LEDを埋め尽くさなかった部分の陰が 向かって右の方が大きめで 等しくなっていない様な気もするのですが…。



それから2日経って 2025.08.03. 日曜日の朝…

























 

 そこで、排水管の中に納まっている LED散光源ユニットを 180°回転させて据えてみました。本日の記事の最初の方の写真と比べていただくと 黄色いピンソケットの位置が 反転しているので 判っていただけるかと思います。

 そして、6×7のネガをセットして 焼いてみることに…。
 選んだのは Mamiya7の43mmで撮った建築写真。ネガを濃く仕上げてしまっている事も有って テストピースの段階から気が抜けません。


























 

 前回の投稿の写真で 最初のもの(一般的な濃度のネガ)は 露光時間8秒、次の濃いめのネガを焼いたものは ほぼ倍の露光時間が掛かりましたので、今回のネガも 8×2=16秒程度が適正ではないか…と思ってテストピースを焼きました。

 iPhone上で 写真に簡単にコメントを書き加えられますので、露光秒数を 割振ってみました。

 ウーン、視界を遮っている木立の附近を見てみると 15,6秒でも十分な気もしますし、このテストピースでは 入母屋の部分の檜皮葺きの表情を重視していますので 全体の調子(バランス)が 全く把握出来ませんので、明らかな露光不足の部分を生み出してしまう位なら 17,8秒で焼いても良い感じがします。

 結局 浅いプリントになってしまう方が怖くて 18秒(1+1+1+…)でストレート焼きしました。


























 結果はマズマズ…といったところでした。でも、やはりピントは甘くなってしまっている様でした。焼きでは ココまでの結果が出せているので 詰めが甘い…というか 少々もったいない感じがしました。

 それにしても、どうしてもiPhoneが勝手に写真を補正してしまいます。実物は 全体的にもっと黒いです。

 この定着液に浸った状態で マァマァ程良い濃さなので 水洗後 乾燥させると ちょっと黒いプリントになってしまうと思います。

 ネガが濃い事も有って 正直オパール電球で焼いていた頃には 覆い焼きをしないと 見られない感じだったのですが、今はストレートにプリント出来てしまう事に 正直驚いています。

 勿論 ベタ焼きと比べれば差はあるのですが(今回はベタ焼きを余白に焼いていませんが…)、オパール電球で その昔 覆い焼きを駆使して焼いていた頃は 少しでも焼き込みすぎるとその部分が気になっていたのですが、今回は 特に引伸しの影響で 階調が詰まったように感じることは有りませんでした。

 そう言えば、上の写真を見る限り 6×7は十分カバー出来ている様ですし ネガの(この6×7の1コマの事を云っているのではありません)短辺方向の 露光不足(偏り)も この写真に関しては気になりませんねェ。

 サイズの関係で LED散光源をセットする位置が 結構シビアになっているだけなのでしょうか?


























 

 ひと頃(夏至の頃)と比べて 日が少し短くなって来ました。 夜明け前に暗室作業をする自分にとっては有難いです。

 今朝は 4時頃からプリント作業を始めたのですが、本番プリントを1枚焼き終えると もう薄明が始まっていて 欄間から光が差し込んで来ていました。まぁ、この位なら まだ少々の作業なら カブりませんが 油断は禁物です。



























 

 それにしても テストピースといい、この写真といい 変なモノまで逐一写真に撮って揚げるなぁ…と思ってらっしゃいますか?

 先日 RICOHFLEXを下さった方もそうおっしゃいましたが 自分が暗室作業をしている事を知ると 普通の人は 「暗がりの中で 像がジワジワ出て来るのが堪らないんじゃありませんか?」とか言うぢゃないですか。

 正直云って そんな事で一喜一憂する様な段階は もう、とうの昔に通り過ぎているのですよ。

 モノクロ写真を制作する一番の愉しみは 実体としてあの紙に焼き付けられた プリントに触れる愉しみです。

 実のトコロ 定着液に浸っている状態では 未だ素手で触れる訳にはいきませんが、このトロトロの定着液の中にまだ浸っているプリント、そしてそれをピンセットで引き出した時の手に伝わる感触(竹ピンじゃ 僕の云っている感覚は得られないと思いますが…)、そして引き揚げた後のバライタ紙の質感が何とも云えず 堪らないのです。

 だから、そういう事を伝えたい意味もあって 無駄に思える様なシチュエーションでも セッセとアップしているんです。

 先日、たまたま アサヒカメラのバックナンバーを漁っていた時に 三好耕三さんの記事(2018年5月号)を読んで腑に落ちたのですが、自分の思っているのは まさにそこで 三好さんが仰られている様な事なのです。


 チョッと話がまた変わりますが、例えば先程の 薄明が訪れた写真は 後々 この時期はこの位まで暗室作業が出来るのかぁ…と振り返る 一つの目安にもなります。
 
私はiPhoneで撮った写真は この様にBlog等で利用してもオリジナルは必ずiPhoneに残しています。常に手許に有るので いつでもその写真の持っている情報を利用出来るのです。便利な世の中になったものです。
































 ←ただ、コレはやり過ぎです。或る意味 気味が悪いです。確かに私は『暗室』というアルバムを設けて 分類していますが…

 AIはもうこの写真が 暗室の写真だと解ってしまうのですね…。(もっとも、セーフライトで真っ赤っ赤だから かえって解り易いのかぁ…)



























 スイマセン、また 話が脱線してしまいました。

 チョッと片付けるのに時間が掛かりそうなので スグにとはいかないのですが、べセラーの方でも試してみたくなって来ました…。

 続きは、近いうちに また…。