2014年6月19日木曜日

オンボロ ローライを使いはじめる

   一昨年の秋 eBayで落札してから そのまま 放ったらかしにしてあった ローライを使いはじめた。




   ローライは以前から欲しかったので、この値段じゃ安い!と思って飛び付いたのだけれど、今になってみると チョッと微妙だ。

   ローライの事をあまり知らなくて、それでも 80mm f2.8の系統と 75mm f3.5の系統が大まかな括りとして有る事は知っていたのだけれど、入札時にあまり画面を見ていなくて てっきりオンボロでも75mm f3.5のクセノター付きのローライが届くと思っていたので、箱を開けて クセナーの文字を確認した時は、チョッとがっかりした…。(それまでは、クセナーは ローライコード オンリーだと思っていた)

   人というのは(というより自分だけかも知れないが…)不思議なモノで 知らなければ それで済むのに f3.5でもクセノターだど思っている処に クセナーが来ると 「何だ4枚玉か…」とチョッと萎えてしまう。

   クセナーも結構写りに定評が有るみたいだけれど…今の自分はまだ「チョッと…どうなんだろう?」という感じだ…。

  でも、事実 テッサー付きの スーパーイコンタを所有しているし 結構写るが 何か あまり愛着が湧かない。ぶっちゃけてしまうが、あまりテッサーという言葉の響きも好きじゃない。

  不思議なものだ。今 メインで使っている focomat Ⅰcについている引伸しのレンズは エルマーだというのに…。

   だから、ズミクロンやズマロンで せっせこ撮って 全部エルマーで引伸している訳になる。

   殆ど 気分の問題だけど、でもこの御時世に フィルムを使って写真を撮るのって そんなモンじゃないだろうか…。

  自分は 出来れば 良いカメラで写真撮りたい方。「あとは撮る人 アンタ次第」って自分に言い聞かせて「そうだ自分は今はコイツを手にしているんだもの…」と思って撮ると 余計な事を考えずに より無心になっている自分がいる気がする。

   話がすっかり逸れてしまった…。ローライの話だった…。




   取り敢えず 400TXで1本撮影して ストックのD-76で現像してみたのだけれど、かなりのベースカブリだったので、2本目は DELTA 400でささっと撮って TMAX DEVELOPERで現像してみたけれど、やはりベースカブリが大きい。

   古いカメラなので 内面反射の対策が 上手くなされていないのか 何なのかよく判らないが、フードもつけられていない古いレンズでの撮影という事も あいまってネガ像は 凄く眠い。とても2号で焼けそうもない…。

   PENTACON Sixの80mmのビオメターで撮影した時も 眠いネガだったが、それと同じくらいだ。

   そういえば、ローライには 80mmのビオメター付きの 2.8Bというのが あったと思うけれど、中身は殆ど同じなのだろうか?興味は尽きない。(もっとも、ビオメター付きの2.8Bの現物すら 僕は未だ 見た事もないけど…)

   とにかく、こんな眠いネガをいつまでも 見つめていても何も判らない…。

   …ということで、さっそく引伸ばしてみた。取り敢えず 多階調フィルターを かましたくなかったので、フィルター無しの2号相当で焼いてみた。

   ちなみに、露光は focomat Ⅱcの引伸し倍率は 丁度4倍の処を指し示していて、 f11で 2.4秒 覆い焼きなどの余計なテクニックを拒むかの様に短い…σ(^_^;)。ならいいや…と思って、敢えてストレートに焼いてみた。薄曇りだった空が真っ白になっても 今回は気にしない。

   意外だったのは、2号でも結構 イケた…。ただ、今のデジカメの絵に慣れた人に見せても眠い絵だから「何コレ…」って云われそう。

   下の写真が そうだけど、iPhoneで撮ると それだけでiPhone自身のエフェクトが掛かって メリハリのある画に なってしまう。本当は もう少し浅い画だ。だから、あまり 濃いめに焼くと、人の顔のディティールが 埋没していって 見にくくなる。

   下の写真は iPhoneでオートで撮っているので 全体の濃度も少し濃い。2.5号のフィルターをつけて焼くと 丁度この位になるかも知れない。


   


   



   実際に ひと昔前の自分だったら 多階調フィルターをかまして この位で焼いていたと思う。

   今回使ってみて思ったのは やっぱり真四角写真て なんか馴染めないなぁ…という事。人物を写してみても、真四角の画面の中への収まり具合が 何か気に入らないのだ。

   繁々とネガを見ても あまりイメージが湧かない。真四角に向き合わされて 何かいつもの感覚を無くされている感じ。プリントしてみて「こんなんだったんだぁ…」という感じだ。自分はいつもベタ焼きを作らない人なのだけど、6×6に関してはそれは改めた方が良いかも…。

  ただ、PENTACON Sixの時より ピントグラスの視野率は高い気がする。こんな風に写したつもりはないのに…という感じは あまりしなかった。

  ただ、あんまり近寄って撮ると パララックスを意識したフレーミングも必要になってくるのだろうか?。

  でも、今の自分は あんまりそんな細かい事に拘るよりも、数を撮って 真四角写真の感覚に馴染んで 自然体で被写体に臨める様になりたい。

   撮っていて意外だったのは、自分がピントやフレーミングに迷ってモタモタしていて 待たせているという事も有るけど、撮らせてもらう人達に口々に「上と下(のレンズ)どっちを見ていればいいの?」と言われた事。

  そんな事 気になるのかなぁ…というのが 正直な感想。でも、よく考えると カメラを覗いていじくりまわしている自分の無防備な姿は はたから見ると結構 滑稽かも知れないなぁ…とチョッと普段は考えもしない逆の光景について考えてしまった。














2014年6月16日月曜日

はじめての皿現像

   久々の土日休みだったので、去年 撮影して ホルダーの中にそのままになっていたシートフィルムを現像する事にした。

   かなりの枚数の未現像フィルムが有るのだが、JOBOドラムに詰めて 5枚ずつ現像していたら 手間が掛かり過ぎて 気が遠くなりそうだし、以前から 自分もしっかりした暗室を持って 皿現像出来たら シートフィルムの現像も 手っ取り早いのにな…と 思っていた。

   そこで、夜が更けるのを待って お座敷暗室で 皿現像してみる事にした。

   チョッと手頃なサイズの写真用のバットが無かったので、現像液は D76のストックを 小四切サイズのバットに 2リットル流し込んだ。

   本当は 8×10用のバットが手頃だとは思っていたのだけれど、普段 使う機会が無いので持っていなかった。

   キャビネ用のプラスチックバットを1枚 買ってあったのだけれど、液中で フィルムを くゆらせるのに 4×5に対して このサイズでは少々手狭な感じがしたので、小四切サイズでは 少し大き過ぎる気もしたが、仕方が無いので 今回は我慢した。

   やってみた感じとしては、やはり8×10サイズの方が 手頃だと思うけれど、余裕を持ったサイズのバットでやって良かった。

   以前どこかで読んだ記事で、あまり余裕の無いサイズで現像すると、液を循環させるためにバットを揺らしても縁の付近は はね返りにより液の入れ替わりが早いが、中心部は それより応答が遅れるので 積み重なると現像ムラを生ずると云う様な事が書いてあった気がする。(もっとも、4×5程度のサイズではなくて 8×10クラスのもっと面積の有るシートフィルムの話だったかも知れないが…)

   バットのサイズが大きいと、バット自身を揺すらなくても、液をタップリと余裕を持った深さに張っておけば、フィルムを手に挟んで 液の中でくゆらせる事も出来る その点に関しては 本当に大きいサイズで現像してみて正解だと思った。

   一方で、現像の停止は、一度にドボンと停止液に浸けてしまえれば、後の攪拌は それ程シビアになる必要は無いと思っていたので、キャビネサイズの写真用のバットを使う事にした。




 
  上の写真は シートフィルムの現像を済ませて 停止液の入ったバットに浸して 現像を完全に停止させて 部屋の明かりを点けて明室にしたところ。

   よって、まだ定着は済ませていない状態なので、フィルムは素抜けになっていなくて 乳剤が残ったままの状態だ。

   後になって思うと、薄手のゴム手袋か何かをつけて作業すれば良かったのかもしれないが、ヌルヌルの現像液から 停止液の中に 素手でフィルムを浸けて 瞬時に中和されてヌルヌル感が無くなるのを肌で感じるのも 悪くないものだ。

   フィルムを巻き上げて カメラのシャッターを切るのも心地良いが、フィルムの現像を通して水と触れ合うのも心地良い。

   現像と停止は 写真用のバットを使ったので 底にカマボコ型の凹み(溝)が有り フィルムが底に着いても その凹みに指を滑らせれば 簡単に取り出す事が出来る。

   本当は 慣れれば「トランプ現像」と云って 重ねたカードを切る様に 一つのバットで 順繰り順繰り面倒を見て 何枚か同時に 現像出来る様になるらしいが、それは もっと数をこなして度胸がついて来てからにしようと思う。

    その後の定着は 大きいカップの様な容器に ひたひたに定着液を満たして なるべく定着液に触れる事の無い様にして フィルムを出し入れして済ませた。

   いつもそうなのだが、バライタ紙を あんなに念入りに 時間を掛けて水洗いしている事を考えると 定着液は 決して安易に 素手で触れる様なシロモノでは無いという感覚が有る。チョッと触れただけで 角質の中まで しっかり浸透していそうだ…。

   その後、定着を終えて 水洗促進剤の中に浸した後 また素手で挟んで一枚ずつ水洗した。




   正直云って、以外に簡単なので拍子抜けしてしまったのと(現像ムラは起きるかも知れないと思っていた)、夜暗くなってからしか出来ないという時間的な制約は有るが、JOBOドラムで現像するよりも段取りが少なく ホルダーから取り出して好きな枚数だけ現像出来るのが ものぐさな自分の性分に有っている気がした。

  ただ、今はもう6月 夏も近く 水道の蛇口から出た水の水温は 24℃も有る。まだ これ位なら致し方無し…としているが、そのうちスグに水温調節に追われる季節がやって来そうだ…。