2025年5月12日月曜日

2025.05.04. つれづれ

 2025.05.04. つれづれ

 ライカこそ散光源で引伸ばさねばならぬ。②

 GWも後半2日目の早朝。早速 focomat Ⅰcに取付けて焼付け作業をしてみました。





いつも使っている方でなくて もう一台のfocomatⅠcの方を使用しました。こちらは 印画紙を [現像→停止→定着] するスペースのスグ脇に置いてあります。その事も原因の一つか判りませんが、以前イーゼルのブレードが埃まみれになったので ウエットティッシュで拭ってそのままにしていたら何故か腐食してしまいました。ただ長辺方向のブレードは何ともないので もしかしたらこちらのブレードはオリジナル状態では無く入れ替わっているのかも知れません。






























 まずは宇宙人と揶揄されることもある 独特な塗装と形状のランプハウスの上蓋を外します。元々カブせてあるだけなので 簡単に外れます。
 中を見ると スプリングとその上の上枠(蓋)で コンデンサーレンズの収まった筒の様な部品を 押さえつけた状態のまま固定しています。

 何故 スプリングでテンションを掛けているかというと、そのコンデンサーレンズのユニットで 下に置いたネガを 直接押さえ付ける様になっているのです。

 ただ、コンデンサーレンズを傷めない為か ニュートンリングを発生させない為か 実際には自分のfocomatは コンデンサーレンズの先端に キャッブの様にアンチニュートンフィルターを嵌める様になっています。

 自分は持っていないので 判りませんが、Valoyでは 時代が下るとその仕組みが簡略化してか コンデンサーレンズの下部を 直接アンチニュートン処理してあるものも存在するようです。





上からネガステージにセットされたネガを コンデンサーレンズ越しに見下ろしたところです。 ネガを正像に見せる為に Blogにアップする際 天地逆にしてしまいましたが、実際は イーゼル上に正像を得る為に ネガステージに天地逆にネガをセットするので 上から覗いた像は 本来 天地逆になっている筈なのです。




























 取り敢えず 昔の自分にとっては極々普通のネガをセットしました。14年前 東日本大震災があった年の頃に撮影したネガです。この頃は その時々に応じてTMAX100,TMAX400,TRI-Xをその時の気分で使い分けていましたが、ちょうどその年に自分で印画紙にプリントする様になって TMAX100の粒状の細かさに気付き始めた頃でした。

 このネガはまさに そのTMAX100で撮影しています。観ていただいている通り ネガのコントラストはしっかりある感じです。ネガは ハイライト部がかなり濃いですが、目茶滅茶濃い…という程でもありません。

 いつも通り3時頃起床しましたが、珈琲を飲んで気分を落ち着けたり ライカ判のネガ帳を引っ張り出して来て 一発目の伸ばすコマを選んだりしているうちに 時間も残り少なくなって来ました。

 ですので、今回は まず最初に このコンデンサーレンズは外さずに 集散光式のまま 照明だけを 白熱電球から自作のLED散光源に置き換えて プリントをはじめてみました。







ArduinoにはDCジャックが付いているので、パソコンの有った部屋から 隣の暗室に移って来た事も有り スイッチングアダプタをコンセントに挿して給電しています。このDCジャックの入力電圧にはある程度の幅が有りますので、敢えてその為にスイッチングアダプタを購入しなくとも 現代人であれば何かしらの電気製品等に付いてきたものが流用できるかと思います。
































 先程の写真の状態に そのまま自作LEDユニットを被せる感じです。今回は LEDユニットのパッケージングが出来ていませんので、上方向には 光がダダ漏れですが、気にせずこのまま使用します。

 まだ、Arduinoの方のプログラムの記述も 自分はまだ何秒灯す、何秒消すのような単純な記述しか出来ないので 上のスイッチングアダプタは 取敢えず今使っている引伸しタイマーに接続して 結局焼き時間の調整は この引伸しタイマーを併用して やる事にしました。






点灯した状態で ヘッド部分をリフトアップしたところ
先程 イーゼルの羽根の1枚が オリジナルでは無いのではないか…と云いましたが、このネガキャリア(チョッとfocomatⅠcのそれは他の引伸し機と形が違いますが…)も純正品ではない様です。使っているうちに 塗装がいとも簡単にチョロ剥げて 地金のアルミがみえています。もう1台のfocomatⅠcの方は真鍮製で 重たいです。
































 もちろん 白熱電球の時に比べれば暗いです。普段はf11にしたままですが 今回は 引伸しレンズ FOCOTARの絞りをf8にしました。

 前置きが長くて申し訳無いですが、早速 焼いてみましたよぉ…





TMAX100で撮影したネガ。覆い焼き等は無く ストレートに焼いています。


























 TMAX100で撮影した先程のネガです。正直云ってビックリしました。白熱電球でノーフィルターで焼いた時より ダイブ硬調です。硬調ですが、粒子が鋭く投影されるのか 非常にシャープです。毛穴まで 人の肌の質感を捉えていて このネガはこんなに情報を持っていたのか!…という感じです。ただ、鋭いかわりに 8×10ですが ところどころ濃度によっては既に若干 粒状感を感じます。

 iPhoneが勝手に調整して 実際と若干感じが違うかも知れませんが、私にとって上の写真は硬調気味の写真です。肉乗りの無いネガから 多階調フィルターを駆使して焼いている人からすれば 全然 硬調には見えないかも知れませんが…。

 ただ、この写真は 8×10までのサイズでしか焼いた事が無いですし、これまでは 今回のモノとは別のfocomat(引伸しレンズはElmar)で焼いていますので、私の感じている差は 若干focomatの状態の差も差し引いて考えなければなりません。(Focotarのついた今回のfocomatの方が 元々若干硬調で 粒子が鋭くなるためか 少々粉っぽい画になります。)

 もっと時間に余裕を持って 事前に白熱電球のママ 一枚焼いておけばよかったですねぇ…。

 正直、軟調・硬調という事よりも そのキレというか ディティールの描き分けに インパクトを感じたので、無謀にもADOX CMS20ⅡPROで撮影したネガを引っ張り出して来ました。








ADOX CMS20ⅡPROで撮影したネガ。
この写真の中に写っている方の手を観て下さい。解像度の高いフィルムで撮ると この様にチョッと一見すると ぼやけた写りになります。そういう部分は まだ肉眼では限界が見えないです。もっとも、この写真の合焦位置は 手の平ぢゃ無いんですが…






























 やっぱり、元々 硬調気味のネガなので かなり硬調です。この写真も以前 Elmar付きのもう一台のfocomatで伸ばしているのですが、それより ダイブ硬調です。

 もちろんTMAX100よりも格段に微粒子なのですが、焼き付ける光が コンデンサーで整えられて 鋭く刺すようにネガに当たっているのか(実際に起こっている事は解らないが、出来た写真を見て思い浮かぶのは そんなイメージなのだ…)背後の左の方のドアや右の車のボディの一部の部分で 僅かに粒状を感じます。

 ここまでで 夜明けになってしまいました。今宵は此処までに致しとうごじゃりましゅる…。続きはまた明日以降に致しましょう。







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