2013年5月1日水曜日

ZONE Ⅵ 引伸機の再生(その3)


 ふと振り返ってみると、連休初日のネガは 自分の中では 軟調な部類であり、そのネガでも 何とか1号程度に焼けている物が有るので、濃くて硬調なネガであれば 現状のLED光源パネルでも 十分イケるかも知れない…という考えが 浮かびました。





それで、昨日の朝 前よりは濃度の濃いネガでプリントしてみました。

結果は 上の写真のとおり。

いつも自分が 好ましいと思ってプリントして来た位の 硬さに焼けたんです。



 このネガは シャドウを基準にして露光。それに対して 現像のプロセスでは 現像液の強さや現像時間を加減したりしていないので、やはり被写体に依るとは思うのですが、普通の人のネガよりも 濃くなっていると思います。


 晴れた日の 午前中に撮っていますが、上空から この木立で囲まれた中には殆んど陽が差し込んでいないため、ネガのコントラストは さほどでは無いかもしれません。(もちろん空は凄い濃度ですが…)







 いつも思うだけれど、この慈眼院 多宝塔 何でこんなに真っ黒いんですかね?

 一見 このモノクロの写真だと素木だと思われるかもしれませんが、檜皮葺の屋根の下の組物などには彩色が残っています。(ベンガラ?)

 この建物は黒いので いつも撮影で露出を決めるのにも悩むし 出来たネガをプリントするにも難儀します。でも、何枚ものプリントを作り この建物には プリント術という事で 考えさせられ 教えられたコトも有るんです。







よく 国宝建造物について書かれた本の中などに この多宝塔が紹介されているのを見ると、切石の基壇と縁束部分が高く 全体の美観(バランス)を崩してしまっているのが惜しまれる…とかって書いてあるでしょ?

 確かにその通りだけれど このオーソドックスに 正面から撮った僕の写真では そんな事感じないでしょ?







 何でこんな写真を載っけたかと云うと…、この右隅に写っている木立のトーンが 何かパッと見て一番 DELTA100らしく感じたので…





すっかり気を良くして 今朝は 大四ツ切で焼いてみました。


 僕の作ったLED光源パネルは 万能では無いけれど ネガ濃度やコントラストに依っては十分なプリントが得られるものも有る。(もっとも、自分はネガ濃度を測定する機器を持っていないので 今までの経験や 焼いてみたネガとの相対比較でチョイスして焼いてみるしかないんですが…)

 でも、自分は此処に一応 4×5のネガを引き伸ばす環境を得た。撮影から作品作りまで 感剤やそれを処理する薬品さえ有れば(それらはわざわざ買いにいかずとも、ネット通販で購入すれば 勝手に自宅に届く) 撮影を経てその後のプロセスは 一環して自宅でひとりで行うことが出来るようになった…と云っていいんじゃないでしょうか…。

 今回のプリントは 一応 自分にある一定の満足を与えてくれるモノでした。チョっと 僕も云い切れないところがアレなんですが(そもそも…今回のプリントが素晴らしい!とまでは思っていないですし…)、多分ブローニーのときより緻密な繊細なプリントになっていると思いますよ…。

 さらに大きいサイズにも伸ばしてみたいんですが、16×20のプリントは大変でしたから、そのうち腰を据えて 取り組んでみようと思っています。






最後にひとつ…


 僕は最近もっぱらILFORDの多階調のバライタ紙(光沢)を使用していますが、定着液はILFORDのデータシートどおり RAPIDFIXERだけを使用しております。

 以前には 前にもこのBlogでふれたかも知れませんが、値段が多少安いので 中外のMY FIXERを使用していました。

 或る時、たまたまILFORDの純正品であるRAPIDFIXERを使用して、説明に書かれてあるとおり、長く定着し過ぎたりせず 新鮮な定着液でサッと短時間で確実に(もちろん絶えず攪拌!)定着してみたんです。

 すると光沢が違うような気がしたんです。(単なる印画紙の製造ロットによるバラつきかも知れませんが…実際上の方の写真で判るように 8×10と11×14では何かツヤが違いますので…)

 それ以来 RAPIDFIXERだけを使用しております。でも本当に 上の写真の様に 輝くような艶に仕上がりますよ。
 
 
 ただ、よく写真の本に 単ハイポ定着されたプリントは美しいと書かれていることが有ります。(迅速定着液や硬膜剤の添加された定着液で処理したものより美しいと…)
 
 
 
 
 正直、結構 興味が有って 気になっているんですよね…
 
 
 
 

0 件のコメント:

コメントを投稿