2024年7月22日月曜日

2024.07.22. つれづれ

 2024.07.22. つれづれ

 RCペーパーを切らしているので ここの処 撮りためていたフィルムの現像も行っている。

 何でか解らないが 人物を撮り それと並行して 建物を撮る時 どうしてもフィルムの現像は 人物撮りの物から優先してしまう。

 その後 続けて人物を撮っていると 結果的に建物を撮ったフィルムの現像は どんどん後へ後へと 先延ばしにされていく。

 気付けば もう梅雨明け… 

 人って感情があるぢゃないですか、だから早く現像して その人の一瞬の表情にでた感情を 読み取りたい願望が湧くのだけれど 建築撮ってもそういう事って無いからなぁ…

 逆に 現像はされて無いけど もうフィルムの中に結果出てんじゃん…それはもう変えらん無いじゃん…と思っちゃう。

 音楽やドラマやドキュメンタリーを観て泣く事はあっても、建築に感動して泣く事はないからね…泣く一歩手前まで行く事はあっても それは その企みといい執念といい業といい 結局は作った人の想いに感動している(ちょっとあきれている)から…

 そんなこんなで 今朝現像したフィルムは 今年の3月に撮ったものです。



フィルムはILFORDのFP4+、現像液は SUPR HRXです。
水温がだいぶ上がっていますが、水洗はあまり拘らず そのままの温度で
処理しました。本当は 水温の高い時期に あまりやらない方が
良いのかもしれませんが、これ以上 放ったらかしても 仕方が有りません。



















 前から そうなのだけれど、建物を写真に撮って 撮影済みのフィルムが溜まって来ると うんざりしてしまう事が有る。12,3年前は まだフィルムが安かったので 1日に10本とか普通に撮っていた。こんな小型のタンク現像では 日々精進しても とても追いつかない。

 自分が 10年程前を最後に一度写真から離れてしまった事の一因に こういった無理が皺寄せになってストレスとして重くのし掛かっていた事が挙げられると思う。

 もし 今後こういった状況に陥りそうになったら ステンレスの小型タンク以外での現像も 視野に入れなければならないと思う。

 それでも この期に及んで 今年の夏の自由研究はどうしようかと思っている。

 幾つか観ておきたい建物があるのだけれど 、近頃の夏の暑さは異常だし 自分も若くはないので 無理はしない様に心掛けようと思う。



ILFOSTOPとADOSTOP ECO
同じ(1+19)の希釈 クエン酸を用いた停止液
昔の自分の感覚でいくと 暗室作業は 酢酸臭いイメージなのだが
停止液をクエン酸タイプにするだけで だいぶ酢酸臭を低減できる。
自分は酸性迅速定着液で定着しているので 全く酢酸臭が無くなるわけでは
無いのだが…



















 ILFORDのILFOSTOPを停止液として常用しているが 丁度使い切ってしまったので フィルムと一緒に買ってあった ADOXのADOSTOP ECOを 使い始める事に…

 カメラは兎も角(別枠)として フィルムや薬品の類は その都度 小遣いの中から ネット通販で購入しているので そんなに あれもこれもと思いついた様に何度も注文するわけにもいかないので フィルムの必要な時は ついでに無くなりそうな薬品も… 薬品を買う時は どうせ使うのだから ついでにフィルムも…という感じになっている。

 自分は ここ最近は ヨドとSilversaltさんを利用しているが 昨今の日本のフィルム事情においても いろいろ揃えていただけているのは 本当に有難い事だと思う。

 本当は KODAKのTMAXにTMAX Developerの組合せも かつて愛好していた自分としては 選択肢の一つとして残っていて欲しかったけど 個人輸入というのも気が引けるし 価格的にも 自分にとっては遠い存在になってしまった…。

 ブローニーの400TXの リールに巻くときに 恐ろしくぺらぺらなので 細心の注意を払ったのも 今振りかえると懐かしいな…

 ともあれ 選択肢の有るのは良い事だ。



これは903SWCだけれど フィルムのセット時にスタートマークの位置合わせが
マズかったのだろうか? 最終コマが フィルムのこんなに端に来てしまった。


























 段階露光したコマが幾つか有った。今更何のチェック?と云われそうだが 比較の為に撮った様だ…(もう すっかり本人は忘れているが…)。

 カメラの撮り味(ホールド感、シャッターなどの操作感)が そうさせるのか 903SWCでは其処まででは無いが、Mamiya7で手持ちで撮っているとチャカチャカ撮れてしまうので 10コマなど すぐに終わってしまう。そんなこんなで 撮影済のロールフィルムが増えていく…。

 どのみち プリントは来月以降になりそうだ…。




2024年7月18日木曜日

2024.07.15. つれづれ

 2024.07.15.つれづれ

 ここの処 8×10のRCペーパーを切らせてしまっていて… 

 無くなったからと云って そんなにポンポン買う訳にもいかず 今月中は我慢して 5月の連休中にじっくり取組んでみようと思って買ってあった11×14のFB紙で 気の赴くままに 気に入った焼き易そうなネガを選んでは 1、2枚ずつ のんびりとプリントしている。

 何と云ってもFB紙は水洗に手間が掛かるので 自ずとプリントするのは 週末の休日の早朝になる。

 いつもは マグカップ1杯のコーヒーを淹れて それをゆっくりと飲み干して気分を落ち着けた後 作業に取り掛かるのだが この日は 取り掛かり始めた時間が遅く コーヒは無し!。一応 FB紙こそ無駄にしたく無いので 自分なりの入念なテストピースのプリントやらフォーカスルーペによるピントのチェックやらで 未だ1枚も焼いていないのに 夜明けが直ぐそこまで迫っていた。

 focomatならそんな事は無かったと思うが ここ最近 FB紙を焼く時は自作LED散光源付きのベセラーで焼いている。その自作の光源で照らし出された ネガ像をチェックするのだが 青一色だし 暗いの何の。いつもは引伸しレンズの絞りをf8にしているのですが、この時はピントの確認の為にf5.6に変えていました。

 そして やっちまいました…。テストピース迄はf8でやっていたのに f5.6から戻し忘れて そのまま焼いてしまいました。



真っ黒くなってしまったプリント
ただ 自分は普段あまり覆い焼きや焼き込みをしないので
人物重視で 飛んでしまっていても気にしない筈の背景が
しっかり出ているのに 逆に新鮮な感じを覚える

















 当然 プリントは黒く潰れてしまいました。

 暗室作業は 慌ててやっても碌な事が有りません。

 今日は 僕にとっては良くある失敗談 その1でした。








2024年7月1日月曜日

僕がプリントの時に黒縁を出すわけ(その2)

 僕がプリントの時に黒縁を出すわけ(その2)



昔撮影した写真を focomat Ⅰcでプリントしたもの
24mmのシフトレンズで撮影しています。
カメラはライカではありません。


































 focomatⅠcでプリントすると イーゼルのブレードで覆ってしまわない限り 四周黒縁が出来るのですが、ネガキャリアに切られているマスクのサイズは決まっているので 基本的に自由にそのサイズを変える事は出来ません。

 黒縁を上下左右きっちり揃えようとすると結構 難儀します。マスクのサイズを自分で削って大きくする強者の方もおられる様ですが、自分は少なくともオリジナルのネガキャリアを 改変するには 気が引けるので もう少しマスクのサイズが大きい方が何かと便利なのですが 手に入れた時のままの状態にしています。




ライカで撮ったか、コンタックスで撮ったか、コンタレックスで撮ったか
憶えていませんが このコマは黒縁がしっかり出ています。









































 focomat Ⅰcの時の黒縁は 細くて附属のネガキャリアに依存するものでしたが、その細くて繊細な黒縁からでも判る事が有ります。

 自分は 殆ど毎日か少なくとも一日おきくらいにはプリントしているのですが、日々におけるプリントの処理枚数はしれたものなので 現像液は使用後 容器に入れて使い回しています。

 現像液を使い回していくと 液が疲労したり 酸化して能力が落ちてきます。ただ、黒縁が有るとその黒さで 現像液がどの程度 処理能力が落ちてきたのかを知る指標になります。



















 







 比較的 濃い部分が少なかったり 曇天で空の表情が無い様な背景の場合 四周の一部が 印画と素の印画紙の状態の境が判らなくなる時が有りますが、そんな時でも 黒縁は印画に引き締まった感じを与えますし そういうイメージをプリントしている時ほど 現像液の劣化に気付きにくいのですが、黒縁の濃さを確認し続ける事によって 現像液の状態を把握する事が出来ます。(但し、そういう印画に限って 新鮮でストロングな現像液より 少々 疲労した現像液で柔らかさ重視でプリントした方が 黒縁は締まりませんが 却って良い結果になったりしますが…。)


 そんなこんなで 黒縁を付けてプリントをし続けた結果、いつの間にか 黒縁の付いたプリントが当たり前になってしまい 黒縁をつけた引き締まったプリントでないと 満足出来ない状態になっていたのです。



focomat Ⅰcでテストプリント中の様子
M3に35mm f2.8のズマロンにて撮影したカットです
ネガキャリアの下の方の窓の処 コマ番号を見やすくするためか
赤窓の中身が取り除かれて 素抜けの状態になっています。



















 







 最初はLeica(35mm)で撮ったネガだけで満足していたのですが、そのうちに それだけでは物足りなくなってきます。

 focomat Ⅰcを使い始めてからどの位経っていたのか 今となっては憶えていませんが(一年も経っていないと思いますが…) 最初は自分なぞが所有するのも畏れ多いと憚っていた focomat Ⅱcをヤフオクで手に入れます。

 focomat Ⅰcの時もそうだったのですが 所有者の方の元に引取りに伺いました。都内在住の写真家の方でした。バブル全盛期に 中古で90万円程で買い求めたとの事でした。ずっしりとした筐体にもシビれましたが 大事にされていたものを譲っていただくので 少々身の引き締まる思いでした。
(後日 この写真家の方に gallery bauhausにて チョートクさんのギャラリートークの時に偶然再開しました。またfocomatⅡcを手にされたい様子でした)

 focomat Ⅱcを手に入れてからというもの こちらの方がメインになっていきました。

 focomat Ⅰcは勿論すばらしいのですが Ⅰc自体も小さいし 取り扱うネガも小さいので レンズ廻りの割と込み合ったゴチャゴチャした処で 絶えず作業する感じなのですが focomat Ⅱc はレンズと台板の間も それなりに離れているので そういう意味で 何か自分の気持ちにも 最初からゆったりとした余裕があります。
 普段 ご自分でプリントされない方は 突然 変な事を云うと思うかも知れませんが 自分にとっては 重要な事です。 尤も 自分はお座敷暗室で 畳に座って作業しているからであって、立ったり 椅子に座った状態で 適切な高さの机に 引伸機を置いて作業されている方は そんな事を感ずる事も無いのかもしれませんが…

もう一つ。今もそういう感じなのですが、やはりライカ判をfocomat Ⅰcで伸ばしていると 8×10まではある程度許せるのですが それ以上の大きさのサイズになると 色々とアラが見えてきます。そのアラが許せなくて ストレスとなり ネガサイズに余裕のある ブローニーや それを引伸ばすfocomatⅡcにシフトしていったのです。

 focomatⅡcを手に入れて 一番驚いたのは ネガキャリアの凝り様でした。それまで自分が見てきたモノと違って 『ここまでする?』という感じと それを支える工作精度の素晴らしさに驚きました。



Mamiya7で撮ったネガをセットしたところ
6×9迄の対応なので 左右に余裕が有ります。
マスクを使用せずにセットすると
上下方向にも若干の余裕があるのが判ります。

























   



 このネガキャリア 出来も見た目も素晴らしいのですが、すこぶる使いやすいのです。但しネガの表裏両面をガラスで挟み込む方式なので ネガやキャリアのガラス面に付着した埃がそのまま印画に克明に投影されてしまうので そういう意味ではストレスが溜まります。

 まあ それはともかくとして、それまでの もう既にマスクが穿たれたⅠcのネガキャリアと違い ここでは 完全に自由です。黒縁を出すも出さないも自由。黒縁の太さもキャリアが許す範囲までは自由。

 もうすでに黒縁を出すのが当たり前でしたので これでますます 黒縁無しのプリントでは物足りない人になっていってしまったのです。




focomatⅡcを手にしてからは何でも有りになっていきます。
この頃は よくMamiya7にILFORDのDELTA100で撮っていました。



































 続きます。