2013年8月15日木曜日

CHAMONIXで210mmでアオる


 僕は 以前から210mmのレンズを所有していたが、CHAMONIXに取付ける為のリンホフボードの数を レンズの本数分持っていなかったので 当初は使っていなかったのだが、この春先 ボードの数を増やし 210mmのレンズもボチボチ使い始める様になった。




レンズの方に 取付けているのは Mamiya7の43mmの外付けファインダー
レンズボード部分を きちんと水平に据えられているかの確認のため



 ただ使っていくうちに思ったのが(沸き上がって来たのが) あんまりアオれないやん…という不満。

 上の写真では カメラをごく普通の状態にしてアオって(ライズして)いるが、この状態では ほんの僅かしか アオれない事が判ります。

 昔 45FAを使っていた時も その辺りはいつも不満を感じていたのです。「広角じゃなくても コレじゃアオれねぇ…」

 その後 モノレールタイプのLXを購入して その手のタイプでは 前でも後ろでも個別にアオれるので 相対的なシフト量を十分確保出来て この問題は ひとまず解決出来ていたのです。

 今回 お盆休みに また撮影旅行に出掛け 210mmで アオって撮影したいシーンに出くわし 普通の状態ではあまりアオれない事、だけれど 大判カメラはすでに フィールドビュータイプの45FA、モノレールタイプのLXを持っていて CHAMONIXを購入するにあたって 携帯性は良いが、アオって撮影するスタイルが基本の自分が使っていくのに問題がないか店頭でよく吟味した事、そして今回の件についても お店の方とその時話をして問題が無い(逃げ道が有る)事を確認していたのを思い出したのです。

 その方法がコレ…




 ベースプレートからバックのフィルム部分を前傾した状態にし 前のレンズボードのフレームもそれに合わせて傾斜させて 前後の面の平行を取るという方法。

 これだと後は カメラを水準器を見ながら 必要に応じて水平垂直に構えれば(前傾した分 起こせば)  最初から 若干ライズした状態になり 更にライズ量を稼いでいく事が出来ます。





 上は別な場面でやはり前傾姿勢にして ライズ量を稼いでいるところ…。

 横方向へのシフトも加えているので、結構傍目には アクロバティックな状態になっています。

 CHAMONIXは ピントの調整のみ繰り出し式になっていて、あとは フレームを展開したり折り畳んだりしてその位置決め(固定)は ホイールディスクのような物を回転させて締め付けたり緩めたりさせなければならないので 例えば僅かな構図の変更の為に カメラを構える位置を変え ライズやシフト量を調整する際にも その都度 ギザキザ加工の施されたディスクを緩めたり締め付け直せばなりません。






 ちなみに更に細かい事を付け加えて行くと レンズ(焦点距離)さえ選んでしまえば バックフレーム(フィルム部分)は 前傾させたり 起こしたりしか する事が無いのですが、レンズボードの付いた 前フレームは そうは行きません。

 前フレームを ごく普通に 通常の状態で ライズさせるのであれば  それはただ鉛直方向に エレベーターの様に上下するのですから 再度のピント調整は 基本的に必要有りませんが、今回取り上げたライズ量を稼ぐ為に ベースプレートから前傾姿勢にさせる方式では、上の写真の様に 前フレームの移動はエスカレーターに載った様な動きになりますので、バックフレーム部分との距離も その都度変わるので、再度ピント調整が必要になります。

 またその動きは ディスクホイールをゆるめて ルーズな状態で行いますので、ピントを厳密にするにはレンズ面とフィルム面の平行が取れているかも 先ずはカメラを横から目視して筐体を確認し、 更にはピントガラス上で全体を見渡して 上下や左右で片ボケになっていないか 再確認する必要が有ります。

 ちなみに 以前にも触れましたが 僕のCHAMONIXは正確には『045N-2』というモデルで 蛇腹の先端部分が 袋蛇腹の様になっていてダボダボなので、短い焦点距離のレンズで アオるには 誠に都合が良いのですが この位の焦点距離のレンズでアオるとその部分で変に垂れ下がって来られると邪魔クサいので 上の写真では 端折って手繰り寄せたのをパーマセルテープで レンズボード部に 貼り付けて固定しているのです。







 余談ですが、購入時にマツバラ光機さんの自らCHAMONIXを愛用されているいう店員の方から教えて戴いた話によると コレより更に長い焦点のレンズを使用する際に 蛇腹の真ん中に垂れ下がる癖が付いて来ても この手のタイプの他のカメラと違い このカメラは蛇腹の取り外しが容易に出来るので 天地反転して癖をキャンセルするように付け替える事が出来ると言っておられました。

 まぁ、こういう意味において 撮影時に厳密に構図を練る人(1枚撮影する迄にあれこれ模索するタイプの人)には ストレスが溜まる一方で あまり向かないカメラかも知れません。

 またそういう調整をしても いい加減にやっていれば ピントは悪くなっていくでしょうから(緩めればグニャグニャですから…)このカメラと長く付き合っていくには 大らかさと言いましょうか 寛容さも必要かも知れません。(でも結構アオれて 携行性が抜群なのは間違い有りません)


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