2014年1月27日月曜日

2014.01.27. つれづれ


 結局、手持ちのfocomatのヘッドに換装出来る様な形で 近いうちに 散光式か 冷光源の自作ヘッドを作ってみて 使い慣れた focomatで かつてプリントしてみたネガを焼き比べて 自分なりに 散光源式と集散光源式、或いは冷光源でプリントした場合の調子について 考察してみようという事にした。

 最初は何も考えず ただ漠然と頭の中に focomat Ⅰcが思い浮かび、4×5や5×7に比べれば 結構コンパクトなサイズに出来るだろうから 材料代も時間もそんなに掛からないかも…と軽く思っていたけれど、よく考えると focomat Ⅰcはネガを コンデンサーレンズと ネガキャリアで挟み込んで 平面を出して プリントする様な方式になっている事に気が付いた。










 厳密に云うと 僕のfocomat Ⅰc達は コンデンサーレンズの先端にレンズキャップの様に 一台は四角いマスクがきられた只のキャップの様な スペーサー、そして もう一台は アンチニュートン処理したガラスが取付られたフィルターをかます様になっている。(確か、Valoyは後々 コンデンサーレンズ自体が アンチニュートン処理された物に変わって 何か先端にかます必要が無くなったと思ったが その後のfocomat Ⅰcはどうだっただろうか?もう 忘れてしまった…σ(^_^;))






   ならば、Ⅱcのほうで考えてみるか…と思って ヘッドの白熱電球の付いた蓋を開けてみたが 自分の想像していた以上に大きい…σ(^_^;)。

   150φ位の気でいたので、塩ビの排水パイプが 丁度いいかな…と思っていたが、200φ位でないと とても収まらないサイズだ。まずは、しっかり採寸せねば…。

   それにしても、開けた時いつも思うが もの凄いガラス玉が仕込まれている…。このガラス玉の収まっている容器には バケツの様な取っ手が付いていて それを摘まんで 上に引き揚げる様になっているのだが…結構 緊張する…。もし落としたら えらい事だからね…。










2014年1月9日木曜日

散光式と集散光式 (その2)


 新しい年が明けた…。

 ただ、年末年始の連休中も 写真に関する事は 何もしなかった。(せめて 何処へも出掛けなかったので、年越しでプリント作業でもしてみれば良かったな…)

 今は 仕事の方が バタバタしていて 気持ちが落ち着かないと云う事も有るけれど、何か 暗室作業をする気に無れない。

 冬という季節の問題も有る。

 僕の家は古い木造の家で 夜中に 暖房を入れて ぬるま湯を貼った大きなバットに更に入れ子状に それより小さな現像液を貼ったバットを浮かべて(実際は ぬるま湯を貼ったバットより 現像液を深く貼って バットごと浮かんでしまわない様にするが…) 時間の経過と共に時々 挿し湯して 液温を20℃以上に保ちながら作業する。春〜秋と勝手が違って そういった段取りを踏まなければならないのを想像しただけで 気が滅入ってしまうのだ。

 ただ、最近古い写真関連の雑誌の記事の とある方の話として チョッと気になる記述を見つけた。

 夏は 気温の関係で、液温が高くなり 黒の締まりが悪くなるので 気を付けなければならないと云うのだ。(もう 細かい事は忘れてしまったが、その方は夏場のプリントは あまりやらない様な事も云っていたかも…)

 自分は 液温が20℃以上にする事には 心を砕いていたが、ゼラチンが緩んだりするようでなければ 液温が或る程度 高くなっても問題無いと考えていたので この話は少し以外だった。

 本当にそうならば 改めなければならないので、もう少し調べたり 実際に演って見比べてみる必要が有りそうだ。

 実際のところ、昨年は あれこれやってみたが どうも自分が求めている様な描写に出会えない…と云うのが モチベーションを下げている要因だ。

 それでも 春をむかえる迄には なんとか始動して また あれこれ試していきたいと思っている。



 そこで、その前に 去年自分が感じたことを振りかえり チョッと整理しておこう。







 去年 自分は 自らの所有するものとしては 散光式の最初の1台となる ZONE Ⅵ引伸機を 再生して 4×5で撮った写真をプリントしてきた。

 結局、あまり満足するようなプリントを製作出来なかったが、 一年の写真生活の中で 敢えて「自分が求めている様な描写」に一番近いと思うモノを選べ…と云われたら 真っ先に思い浮かぶのは上の写真(テストピース)だ。

 この写真は これをプリントした当時 何らかの記事にして このBlogに載せていると思う。

 しっかりとした記録を採って無くて このプリントを作成した時の情報が残っていないので ハッキリ憶えていないのだけれど、GW前後に 確か最初の 緑と青のハイブリッドのLED散光ヘッドを拵えて 緑と青の光をミックスして焼いたのだけれど、あまりにも眠い画にしかならないので、青のLEDの光だけにして焼いたものだったと記憶している。(少しでも眠い画を黒くしようと プリント現像液として使用している KodakのPolymaxTも若干 希釈率を下げ 濃くして使っていたかもしれない)

 当時の事をハッキリ憶えていないと 先程 書いたけれども、これでも もちろん若干眠い印画なのだけれど このテストピースの描写やトーンが我ながら 美しいと感じたので、何度も手にとって しげしげと観ていた記憶だけは残っているのだ。

 この写真、これが散光式の特徴だと思うのだけれど、多宝塔の庇の陰の下 陽の当たっている部分は、廻りの部分の影響からか 若干 濃度が載っていて(この部分に関しては 純白でも構わないが僅かにグレー掛かっている) 集散光式のfocomatで焼いていたものと比べると眠くて力強い感じでは無いのだけれど、控え目な分、落ち着いた 非常にリアルに輝きを感じさせるようなプリントには なっていると思う。多宝塔の黒く煤けた木の質感、切石の基壇の質感、上部の組物の一見漆黒と思われる中にも 良く観ると僅かながらに 階調が感じられる。そして 引伸し倍率としては そんなに高くないという事はあるが、非常に細かく繊細に写っており、とてもシャープだ。

 このプリントを作った頃から 薄々感じていたけれど、一般に巷では 散光式の引伸機で焼いたプリントはトーンが豊富で軟らかい…と云われるが、少し違う様な気がする。







 この後、更に硬調に焼けるようにするために 青のLEDよりも短い波長の光を生み出す 近紫外線域のLEDを付けた 青と紫のハイブリッドの照明を作ったが、濃く焼ける様にはなったのだけれど 何か違う。

 確かに 日向から日陰まで プリント出来ているのだけれど、覆い焼きなどを駆使して(自分が撮っている被写体(古建築)では 未だ自分の撮影技術、現像技術が未熟で有る事もあるかも知れないが ストレートに焼いて良いプリントが出来るネガなど無い) 局所的に辻褄が合っているのだけれど、全体としての 統一感に掛け ちぐはぐな印象を受ける。

 どうもfocomatで焼付けしていた頃の コレで良いやん! という風な感じにはならないのだ。








 上の写真も記録を採って無くて  ウロ憶え程度にしか記憶に残っていないのだけれど、近紫外線のLEDオンリーか もしかしたら少々 青いLEDの光も加えて 焼付けしたプリント。

 それまでの光では 濃度の高いプリントが出来なかったのに、近紫外線域の光で焼付けると あっさり真っ黒いプリントが出来て 拍子抜けしてしまった事を憶えている。

 ただ、シャドーの部分は ベッタリしていて、まだ水に浸かっていたプリントを引き揚げて スポンジで 軽く表面を拭った時の黒い艶が何とも云えず iPhoneの写真に収めていたのだった。(決して この黒さが自分の好みだと言っているのでは無い。)


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   …と、先日ココまで記述していて、そもそも前々から解ってはいたのだけれど、自分は 散光式と集散光式という事と、今迄 focomatなどで使って来た光源(白熱電球)と冷光源(厳密には 陰極管とLEDの光を全く同じものと考える事は出来ないが、まぁ ここでは一旦 LED光源は 冷光源の括りに入れておこう)という事をごちゃ混ぜにして扱っているので さすがに このままの状態で 色々な事をして考察し アレコレ云ってみても 仕方が無いなぁ…と思うようになった。

   やはり、散光式と集散光式という事と 通常の光源(白熱電球)と冷光源(陰極管とLED)という事は 分けて考えねばならない。

   その為には、4×5のフォーマットを伸ばせるコンデンサータイプの引伸し機を 手に入れるのも 近道で それはそれで一つの手だが 少し経済的にも設置スペース的にも苦しい…σ(^_^;)。

   そこで、今あるfocomatのヘッド部分を 換装出来る様に 自分で 集散光式のヘッドであったり LEDやもしくは場合によっては陰極管のヘッドを製作してみたら どうだろう…と 最近 頻繁に考えるようになった。

   ここの処 バタバタしていて すぐに…と云う訳にはいかないが 遅くとも春先くらい迄には思い腰を揚げて 取組んでみようと思っている。



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